偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

夜中に書いたのでおかしくなっていたとしか思えません。

一日経ってから見直してみると、昨日の「最終兵器彼女」(映画版)の感想は長すぎですね。
我ながらどうしてあんなに熱くなっていたのか良く判らないですよ。
それでも一言だけ言わせてもらえばとりあえず眼鏡掛けろ

コスチューム!

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将吉 袁藤 沖人
産業編集センター 2005-07-26

by G-Tools

……冷静になって読むと、割と死にたくなる。
が、実際これくらいの脳みそ省エネルギー文章の方が、サイトの受けは良いのだ。
天然+ほんの少しエロ+私ホントは普通なんですよと主張している……フリ。更に他のサイトに媚を売るのも忘れない。
賢しいとは思わない。何しろこの界隈は弱肉強食なのだ。ヒット数を増大させそれを維持、更にまた増大させなければならない。
凡百の弱小サイトで満足するならそれでいいけれども、いわゆる「どこかの誰か」になるのは容易なことではないのだ。

そんな大嘘日記も、聖香ならばともかくネットアイドルのハルコとしてならば、すべてみんなOKとなる。
(中略)現実も嘘も「楽しい文章」と言うベクトルでこねくり回して形を整え塗り固めて閲覧者に提供するのが、サイト管理人の仕事だ。少なくとも聖香はそう思っている。

「自分が写った写真を全て心霊写真にしてしまう」というコスプレイヤーとしては致命的なスキル(?)をひた隠しにしながらも、コスプレの星&ネットアイドルを目指し日々コスプレに励む聖香(19)
が、そんな彼女の秘密をとあるカメラ小僧に知られてしまったことから彼女の運命は急展開していく事になる。
果たして聖香はコスプレ界&ネットで、「どこかの誰か」になることは出来るのか?!



…amazonにあらすじなかったので自分で書いてみたよ。


てなわけでこの「コスチューム!」、舞台設定からしてヲタク向け小説なんですが、一皮むけば実は「人間いかに自己実現するべきか」なんてその昔なら純文学が扱ってそうなテーマに真っ向から取り組んだ青春小説だったり。

や、自己実現の手段がコスプレだったりネットアイドルだったり自分のサイトをいわゆる「大手」にすることだったりするのがなんですが。


主人公がネットアイドル志望のコスプレイヤーだと言う以外にも、自分のサイトが大手ニュースサイトからリンク張られて云々とか有名サイト管理人達がロフトプラスワンでトークライブとか今時のネットヲタにはおなじみのネタが作品の根幹をなす事柄として使われています。


「ヲタクな私」を当然なものとしてそのままでの自己実現やアイデンティーの悩みを扱うこの作品は、ある意味ヲタ私小説とでもいうべきかも知れませんね。(←定義を知らないで適当に言ってる人)



ちなみに上の引用文章は、どちらも主人公が自分の運営しているサイトの日記を更新したあとの描写です。
ヲタ日記サイトやネタテキストサイト持ちの人には見に覚えがありすぎて心が痛いのではないかと。
少なくとも俺は相当身につまされる気分でした。


コスプレ云々はともかくとしてネット界隈のネタだけでもサイトを持っているような人達には相当楽しめると思うので、ここ見てるサイト管理人の人もそうでない人も普通にお勧めですよこれ。