偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

鳥人間コンテスト出てきました


というわけで鳥人間コンテスト出場レポです。


(7/25追記 飛行中の写真を追加しました)


朝4時頃に学校に集合して某後輩の車にサークル員数名で乗り込み琵琶湖へ出発。
7時頃にはもう到着できました。



琵琶湖岸では出場チームごとに機体組み立てに使える場所がロープで区切られており、場所ごとに割り当てられたチーム名が看板で示されているのですがうちらの看板だけこんな風になっていました。
これなんてロールシャッハテスト?



割り当て場所から望むプラットホーム。
およそ1km弱ほどの距離があります。


それにしても俺が入部してから3回鳥人間コンテストに出て、毎回このあたりのプラットホームから離れた辺りを割り当てられているのはくじ運が悪いとしか言いようがないですね。
次があるのならもっと近くに行きたい。出来ればプラットホームの根本辺りとか(そこは前年度優勝チームのための特等席です)



テントの中から琵琶湖を望む。
競技中は以外に暇な時間が多いので、この中で寝たりだべったりしてすごします。
また、雨が降ってきた際の機体の退避場所でもあったり。



2tトラックの荷台に積まれる我らが飛行機。
あの全幅30m、全長7m近い巨大な機体をこれだけコンパクトに収納できるのは日本で多分うちのサークルくらいだと思いますよいやほんとに。
つまりそれは普段から広い作業スペースを確保できていないということの裏返しでしかないのですが。



湖岸に並ぶ人力プロペラ機ディスタンス部門の出場機体たち。



ディスタンス部門実施中のプラットホームの一コマ。
携帯カメラなので飛行中の写真はおろかプラットホームすらこの程度の写真が限界でした。


肝心の競技内容といえばMeisterが堤防に突っ込んだりWASAがまさかの発進即墜落をやったり日大が5km"しか"飛ばなかったりと強豪チーム陣が全体的に不調でした。
が、芝浦(二人乗り)・HUES(双発)・横浜エアロ(垂直尾翼無しの先尾翼)といった技術的挑戦を行っているチーム達が、距離は出ないものの軒並み定常飛行に成功していたのは見ていてとても面白かったです。
特に芝浦のあの超巨大な飛行機がまともに飛んでいる姿はそれだけである意味感動ものでした。



浜辺に打ち寄せられた人力飛行機の残骸。
湖面に墜落する際にどうしても機体が破損し、回収し切れなかったものがこうやって流れ着きます。
プラットホーム周辺の湖面上には大量に発泡スチロールやバルサ(どちらも人力飛行機の主な材料)が浮いていて、琵琶湖を汚しているようで申し訳ない気分になりました。
そんな中で、某チームがゴミ拾いをしながら機体をプラットホームまで移動させていたのには素直に関心。



反対側に回って観客席側から望むプラットホーム。
TVで放映される際の視点とほぼ同じですね。



浜辺で待機。
コックピット周りはまだ作業が残っていたので先ほどの収納箱から出して作業中です。
作業の無い人は皆で他チームを観戦。



今年の鳥人間コンテスト記念携帯ストラップ。
これ以外にも帽子やTシャツ、バスタオルといった記念品が売られていました。



ディスタンス部門の途中辺りで大会スタッフが来て機体の安全検査を行いました。
流石に4回目(俺が入部してからは3回)の出場ともなると慣れたもので15分ほどで終了。
直すべき箇所もほとんどありませんでした。
昔は大量に修正点を指摘されて湖岸で必死に作業をしていたのが嘘のようですね。


この後滑空機部門が行われましたが俺はしっかり観戦していなかったので結果はよく判りません。
一部を見た中では創価大がフォーミュラクラス(機体の設計に制限あり)ながら150m飛んだのは実に見事でした。
ハマハマのネタっぷりもさすが。滑空機で羽ばたき機を実現してしまうのは凄いです。


そして競技は進み、遂に最後の鳥人間コンテスト最強(=日本最強)の滑空機チーム、みたか+もばらアドベンチャーグループのフライトがやってきました。

みたか+もばらフライト前

みたか+もばらプラットホーム上で待機中


…ネタにしか見えませんが本当です。
みたかのフライトになったとたん浜辺に集まる人、人、人。
テントの中で寝ていた人も、そこらで馬鹿話をしていた人も、果ては機体の最終調整や補修をしていた人までほとんどすべての鳥人間たちが浜辺に集結。


もちろん実際の飛行も素晴らしいもので、飛行中は歓声が止むことがありませんでした。
あの操縦技術はもはや神業。並大抵のパイロットに真似できるものではありません。
見ていて気持ち悪いくらい安定して湖面の上を滑るように滑空していく様子には圧倒されるばかりでした。



ここで1日目の競技は終了したので各自休憩と夕食へ。

夕食から帰ってきて望む湖岸の風景。
上のプラットホームを望む写真とほぼ同じところから撮っています。
暗くてよく判りませんが他のチームが灯りの下で作業中です。



特にやるべき事もないのでテントの中で眠りこけるみんな。
隣のチームがテントの中をすっかり明るくしているのと対称的です。



まだ寝るには早いかと思い夜の湖岸を散歩。
写真はライトアップされたプラットホームの遠景です。
既に終了した人力プロペラ機ディスタンス部門や滑空機部門の方々が居残って打ち上げをやったりしていました。



プラットホームに近づいてもう一枚。



この後深夜に雨が降り出すなどのトラブルがありながらもテントの中で夜を明かし、早朝4時頃から組み立て開始しました。

暗がりの中での組み立て。



およそ30m程ある主翼はこのように折り重なった状態で収納されています。



ここから先は仕事がたくさんあって写真を撮っている場合ではなかったので文章メインで。
写真が手に入れば後で付け足すかもしれません。


組み立て着手が遅れたのとタイムトライアル部門に出場するチーム数の少なさ、棄権チーム&発進即墜落チームのお陰で時間に余裕が全く無く、なんと湖岸を移動しながらの機体組立
人力飛行機の組立というのは普通なら余裕を持ってセッティングを見たりしながら行うものですから、主翼を繋ぎながら湖岸を移動していたうちらの行為はかなりの暴挙です。
正直なところ、何か致命的なトラブルが出たらどうしようと移動中心配でなりませんでした。


プラットホームへと続く桟橋へ載った所で機体と分かれて俺は応援席へ。
現役世代のほぼ全員がプラットホームに昇って行ったので初め応援の人数が物凄く少なくて不安でたまりませんでしたが、最終的に大学院生と社会人の方々が合流してくれたので一安心。なんとサークル創設に関った方まで来てくれました。
そして俺は学部生のなかで最上級生(大学5年生だからね…)の為に応援団長を任されているので、並んだ応援団の前に立ってカメラの視線に身をさらします。
カメラに舐めるように撮られるのって本当に恥ずかしいものですね><


そして、遂に我らが飛行機のフライトの瞬間がやってきました。


発進OKのサインを出すと共に退避する審判長。離れる保持のサークル員たち。そしてブースターによって加速されプラットホームを離れる機体。

たとえ何度鳥コンに出場しようが、あの瞬間の緊張にだけは慣れることは出来ません。
特に今年は垂直尾翼の大型化により発進時に引っ掛けるのではないかという懸念があったのと、主翼マウントの強度が疑問視されていて発進直後の主翼折れの可能性があったので何事も無く発進できることを冗談抜きに祈っていました。
OKサインからプラットホームを離れるまでの数秒間が何倍にも長く感じられましたよ。


そして無事に発進できた後はひたすら応援。
着水までのおよそ数分のあいだ、ひたすらに叫び続けていた記憶しかありません。
最終的には約1km飛んだところで着水。
タイムトライアル部門のルール(プラットホームから1kmの地点でターンし、プラットホームに戻ってくるまでの時間を競う)を満たしていないので公式な記録にはなりませんが、それでもうちのサークルの歴代の飛行機の中で最長の飛行距離を達成できた事への達成感で一杯でした。



ボートに曳航されて戻ってきた我らが飛行機。



着水の衝撃で垂直尾翼の下半分が吹き飛んでいます。


機体を回収した後は湖岸で記念撮影をしたりOBから現役へプレゼントを贈呈したり琵琶湖に飛び込んだり。
気が付けば俺もみんなに捕まって琵琶湖に投げ込まれていました。
…冷たいし変な味がするしあそこは泳ぐところじゃないね。


さらに俺らが琵琶湖に飛び込みだしたのを見て、つられてか周りのチームも続々とダイブを敢行。
本人達はハイになっているのでなんとも思いませんけど、あれ冷静に眺めたら相当アホな光景だったと思いますよ。




学校に戻ってからは作業用に借りている講義室で打ち上げ。
しっかり飛んだあとの打ち上げは気分が良くていいですね。


打ち上げで具体的に何が起こったのか詳しく語ることはあえて避けますが、最後に片付けをする段になって100円ショップに消臭剤を買いに行ったはずの俺が、なぜか消臭剤(2本)と一緒にしゃもじとフォークとブーツカバーを買ってきてしまったくらい前後不覚になっていたと言う事から察してくださいな。




テストフライトや製作中での相次ぐトラブルからかなり行く末が不安視されていた今年の機体ですが、蓋を開けてみればサークル新記録を樹立するという好成績。
大会全体で見てもディスタンス、タイムトライアルあわせた全人力プロペラ機の中で5位か6位に入る飛距離でした。
入部してから5年、まさかここまでの飛行機が見られるようになるとは。
1年間製作を頑張った現役メンバーの皆さん、
ありがとう!そしてお疲れ様でした!