偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

羅列型ニュースサイトなんて人間がわざわざ運営する程のものじゃない

Byozine:秒刊ネットマガジン:: 個人ニュースサイトを破滅に追い込むWeb2.0について。の「SBMやRSSリーダーがあればニュースサイトは要らないかもしれない」と言う意見に対し、あちこちから
「ただニュースを紹介するだけじゃなくてそれぞれのサイトなりの『特色』があるから良い」
「選ぶニュースの傾向で管理人の人柄を表せるから良い」
(ex.どらみそら。 - 私は何もニュースを知りたくてニュースサイトを見ているわけではない。)
等々毎度お決まりの台詞が出ていて十年一日のごとく同じ議論を繰り返してるなと思う俺。


傍から見ると必死で自分達のやっていることが正しい理由を作り出しているように思えてなりません。
ですが俺も自分の書く本やゲームの感想が誰かの真に必要とするものであるかと問われれば答えに窮してしまいますし、自己満足のためにサイトを運営すると言うのがそれほど悪いことかと問われればそうでもなく。
こういう自己正当化に走る気持ちもとてもよくわかります。


しかし気になったのは、果たして全てのニュースサイトが「特色」と言えるほどのものを持っているのかということ。

RSS・SBMの欠点

RSSやSBMにも落とし穴がある。
確かに最新のニュースや人気記事を拾うことができるが、それは裏を返せば
人気の記事しか集まらないということだ。

つまり、RSSやSBMを活用しすぎると、どこも同じようなニュースをただ表示させるだけ。

これでは何の面白みも無い。

リンク先記事ではこの後に「だから人間が運営するサイトにも良い点があり〜」と続きますが、そんな事言ったって世の中のニュースサイトの大半は「最新のニュースや人気記事」を拾ってるだけですよね。
これは今までにこのblogが様々なサイトに晒された際、どんなコメントがつけられているのかと見て回った経験から断言できます。本当に皆同じようなこと書いてるんですよ。


それならば、SBMにおける人気記事のRSSを利用すればそこらの羅列型ニュースサイトっぽいものを自動生成出来るのではないかと言う発想から生まれたのがこのblogのヘッダでリンク貼っている「ニュースサイト(偽)」
見る人が見れば一発で判るでしょうが、スクリプトではてなブックマーク注目エントリのRSS拾って情報取り出して整形してコメントつけて記事を自動で生成してます。
(一応ソースを公開 メイン部分(hateb.pl)  外部サイト取り込み部分(NewsParse.pm))


やはりスクリプトでの自動生成には限界があり*1、ソースを見れば判るとおり恐ろしく適当な方法でニュース取得とコメント付けを行っているので人間が書いたものに比べだいぶ精度が落ちます。

が、一言もコメントをつけずに「最新のニュースや人気記事」のURLをだらだら並べてるだけのサイトや「ワラタ」程度のどうでもいいコメントしかつけていないサイトよりは情報量の濃いものを生成できているのではないかと思う次第。
コメント無しでURL並べるだけだったら今の1/3くらいの行数のスクリプトで簡単に実現できますよ。


エラーの元になる外部サイトからの取り込みをなるべく減らしてはてなブックマークからのニュース取得に専念し、コメント者のid表示を取りやめて全てのコメントをあたかも管理人が書いたかのように振舞い、スクリプト臭さを極限まで減らしたとき果たして自動生成されたニュースサイトと人間が更新したものに差はあるのでしょうか?

もちろん作り手の贔屓目も十分にあるでしょうが、俺には上記の自動生成っぽさを減らす設定で生成されたニュースサイト(偽) 9月分の過去ログと、そこらの人間が運営している羅列型ニュースサイトに大きな違いがあるとは思えませんでした。




今回のエントリの発端となった秒刊ネットマガジンの記事は、『他とは違う何か特別な点』『どんなネタを選ぶのか興味を引かせる管理人』がある限り人間が運営するニュースサイトの必要性は無くならないと結んでいます。
逆に言えばそういった点でオリジナリティを発揮できないニュースサイトは、技術の進歩にしたがってスクリプトやツールやWebサービスが同様の機能を果たすことが出来るようになると同時に淘汰されていくのかもしれません。


「好きでやってることだからなんと言われようがどうでもいいです」「ネット巡回中に気になったネタの個人的メモみたいなものですから」とこういう記事を目にした場合のテンプレ通りの反応を返し、自分の精神的安定を保つだけじゃもったいないよニュースサイトの中の人たち。
貴方達全てが『他とは違う何か特別な点』を持ち、『どんなネタを選ぶのか興味を引かせる管理人』に為った素晴らしい世界を俺は是非見てみたい。

*1:俺のプログラム技量の不足も大きな原因