偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

父親たちの星条旗

前から気になっていたこの映画、ミリタリ関係の知り合いの中での評判が高かったので観てきました。


「硫黄島での戦闘風景」 「『英雄』となって帰国した後の日々」 「老いた後にあらためて戦争を振り返る」  この3つの時系列が頻繁に入れ替わるので最初は少々混乱しましたがある程度たてば慣れてくるので問題なし。

「作られた英雄」の虚飾に満ちた姿を殊更に強調することなく自然体で、しかし一切の甘え無しに冷徹に描いています。
鑑賞し終えた後に残るはとてつもない虚しさとやるせなさ。お涙頂戴の「感動」を誘うタイプの戦争映画とは全く毛色の異なるお話です。


スタッフロール後に日本側から見た「硫黄島からの手紙」の予告編が流されましたが、予告編を見る限りこちらは従来型の戦争映画フォーマットにのっとったお話のようでした。
勝者であるアメリカ側をこのように描くのなら逆に日本側から見るとどのような物語になっているか少々気になるので、「硫黄島からの手紙」も見に行ってみようと思います。



あと、なんで国旗を掲揚しようと思ったら近くにちょうど良く鉄の棒が転がってるんだよ(しかも3日間の上陸準備砲爆撃を受けた後の島で)とは誰でも思うでしょうがそれが歴史上の事実なんだからしょうがない。