偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

ウィザーズ・ブレイン(2) (3)

ウィザーズ・ブレイン〈2〉楽園の子供たち

ウィザーズ・ブレイン〈2〉楽園の子供たち


2巻 → 三枝零一のチタン合金好きはちょっと異常
3巻 → おまえらちょっと簡単に光速に近づきすぎじゃあないかい


家族・友人の死や、意に沿わない社会的立場からの逃避を使わないとお話を構築できないのかなこの人は*1、というのが第一の感想ですが巻を追うごとに文章テクニックが上がっているものまた事実。


そして加速していくバカSF(褒め言葉)戦闘描写。

1巻の時点で「光速の70%(秒速2万km)で移動」なんて言ってましたが、能力のバリエーションがどんどん増えて恐ろしい事になっています。
脳内コンピューターがデュアルCPUなのでプログラム(=魔法)を並列実行できるとか、世界を質量とそれによる空間の歪みで認識する重力制御特化型魔法士「光使い」とかもう最高。
運動・知覚能力加速53倍 VS 60倍で「こっちより、わずかに早い」ってw

お話自体はまずプロットありきでキャラ立てや諸々の描写がいまいち、とまでは落ちずとも何とか読めるくらいのレベルで特筆すべきことはありませんけど、上記の「魔法」描写だけでもうお腹一杯。

描写やなにやらは修練によって上達することが出来ますけど、こういう素晴らしいバカSF(褒め言葉)を思いつける発想というのは唯一無二なわけで。

1巻の感想の時点で書いたまさにこの通りの展開になってきましたね。
このままバカSFっぷりと文章テクニックが共に向上していくのを楽しみに続刊も読んでみようかと思います。
……俺の楽しみ方は何か間違っているような気がしないではないですが。

*1:1〜3巻のストーリーの大枠がほぼ同じなのは正直どうかと思う