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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

星を継ぐもの

感想

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。
死体はどの月面基地での所属でもなければ、ましてやこの世界の住人でもなかった。
"彼"は5万年前に死亡していたのだ──

まず奥付見て驚いたのが1980年発行だということ。俺が生まれる前だよ。

当時の情勢を反映してか、科学技術の進歩が全ての政治的問題を解決した未来社会という描写には21世紀初めのこの世界に生きるものとしてはちょっと違和感があったり。


が、木星圏辺りまでを勢力範囲に収めた作中の人類社会の姿は、むしろそういった宇宙への進出に無邪気に希望を抱けた時代だからこそ書けたわけで、今となってはその無邪気さがむしろ新鮮でした。

そして状況設定ばかりでなく、物語としても実に面白かったです。
「月で発見された5万年前の死体」という謎から始まり、その後も謎また謎の展開で飽きさせず。
"彼"の母星と月の関係はかなり最初のほうで気付いたんですが、最後のオチは本当に予想外でした。そう来たかー。