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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

アストロノト!

感想

アストロノト! (MF文庫J)

アストロノト! (MF文庫J)

その溢れんばかりの宇宙開発に向ける(著者の)愛に全俺が泣いた!


正直なところ、あまりにも多くの要素を詰め込みすぎたが故の展開の速さと描写の粗さについては弁護のしようがありません。
伸ばそうと思えば2巻、最高に頑張れば3巻くらいまで引き伸ばせそうな内容を1冊でやってしまっていますからね。
まさか一回目のロケット打ち上げがあんなに早くやってくるとは思わなかった。


しかしただ展開の早いだけのお話でないこともまた確かで。
ごくごく最初で触れられながらも詳細がずっと語られない「主人公が月に『行かなければならない』理由」のサプライズには素晴らしいものがありました。

その他にも終盤の展開に少々唐突過ぎると感じる部分がありましたが、思い返せば短い中にも全てきちんと伏線が張られているのは上手の一言。 
大量に詰め込んだネタに対して全てきちんと解決をつけているのは手放しで褒められる所です。


むろん、各種一発ネタに頼りすぎだという批判はありましょう。
が、前にも何かの感想で書きましたけど、構成や文章自体の上手い下手は修練でなんとかできますがそういった唯一無比のネタを仕込めるセンスは他にはありません。

何事も程度問題ですが、平凡だけど「上手い」物語よりは一点突破の尖ったお話が好きな俺にとってはとても楽しめました。

……いや、その尖った部分の一つである宇宙開発ネタが単純に俺のツボを突きすぎているだけな気もしますけど。