偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

マブラヴ オルタネイティブ - クリア

マブラヴ オルタネイティヴ DVD-ROM

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歴史が彼らに脚光を浴びせる事が無くとも…我らは刻みつけよう
名を明かすことすら出来ぬ彼等の高潔を、我等の魂に刻み付けるのだ


…旅立つ若者達よ
諸君に戦う術しか教えられなかった我等を許すな
諸君を戦場に送り出す我等の無能を許すな
……願わくば、諸君の挺身が、若者を戦場へ送ることなき世の礎とならんことを

「甲21号作戦」からそのまま怒涛の終盤に突入し、全く息をつくまもなく横浜基地防衛戦・桜花作戦と進んでクリア。

まさに燃えゲー、まさに戦争映画。
「エロゲ版バンドオブブラザーズ」という以前に熊猫さんから聞いた比喩の、当時は何が何だか判らなかったその意味が心から理解できましたよ。
そして口だけのヘタレが真の「人類を救う英雄」に相応しい漢に成長する物語でもあり。



恐ろしいほどベタでストレートながらも、まったくぶれずに全力でもってそういった「燃える」方向性を貫いているため気が付けば相当なレベルで感情移入している自分が。
前回の感想でも書いた通り、この手のお話は一度突き放して観るようになってしまうと途端につまらなくなるモノなのですがそれをさせないシナリオの巧さは流石です。

これには戦争モノのお話として一切のご都合主義を廃した容赦ない展開も一役買っているかと。
メイン格のキャラでも物凄い勢いで戦死していきますからね。
横浜基地防衛戦のあまりにもあまりな結末には震えたよ。


そしてそれを支える各種演出も最高峰。
立ち絵の瞬き・台詞にあわせた口パク・外で息が白くなる程度は序の口。ブリーフィングやコクピット表示等々の表示系のとんでもない力の入りようも当然です。
それよりも何よりも、静止画の拡大縮小回転のみでアニメばりのロボットアクションを実現しているのが素晴らしすぎる。
この一瞬のためにどれだけの労力が注ぎ込まれたのだろうと戦闘シーンを見ながらいつも思っていました。
横浜基地防衛戦時のメインシャフト突破は何度見ても燃え死ぬ。


エロゲ/ギャルゲとしては、確かに登場キャラクターの9割方は女性ながらもメインヒロイン純夏とサブの霞の他はまさに「戦友」とでもいうべき扱いのためかなり薄いです。
無論それは描写に力が抜かれている言うことを意味するわけではありませんが。
「訓練兵時代からずっと一緒に戦ってきた仲間」と言う意味でなら十分に深く絆が描かれています。


この辺りの主人公とヒロイン各人の個別の関係や、各人のバックグラウンドを語ると言ったことは平和な学園モノのお話であったエクストラ編や「1回目の世界」のアンリミテッド編で十分に語りつくされたと言うことなのでしょう。



くどくどと書いていますけど、端的に言えば先週の余暇のほとんどをこのゲームに費やしてしまったくらい楽しめました。
たまにはこの位ストレートな「燃えゲー」もいいものですよ。


ここまで来たら無印「マブラヴ」からきちんとプレイしてみたいとも思うのですが、プレイ時間が恐ろしいことになりそうなのでまだ後になりそうです……

無印+オルタ+ファンディスクでまとめた総集編が出たりはしないだろうか。絶対買うのに。