偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

2007年下半期ライトノベルサイト杯投票

恒例のライトノベルサイト杯の季節がやってまいりました。
(中略)
本企画は、「はてなキーワード機能を使い、ライトノベル関連サイトの管理人がおすすめのライトノベルについて語る」ためのものです。

ラノベ感想・書評サイトはもちろんですが、「サイト持ち&ラノベ読み」であれば誰でも投票できます。マンガ系でもゲーム系でも、ラノベに関する話題も取り扱っているならガシガシ投票してください。
(中略)
普段からライトノベルを読んでいる方々に、それぞれのお勧めを教えてもらう企画です。結果として、まだ見ぬ良書に出会えた人がいれば幸いです。

2007年下半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ - 平和の温故知新@はてな

というわけで、「平和の温故知新」(id:kim-peace)さんのところのラノサイ杯に参加してみます。


既存作品部門

<1位>


【07下期ラノベ投票/既存/9784840239738】


「物理学的記述でもって『魔法』を扱う」と言う部分が特に注目されがちなこの作品ですが、「全体の為に一部を犠牲にすることは許されるのか」というある種普遍的なテーマをかなり真剣に突き詰めにいっているお話でもあり。
「魔法使い」達の能力によるキャラ立ても十分でキャラクター小説と言う意味でも文句なし。
これだけ沢山の人物を過不足無く動かして物語を構築できると言うだけでも凄いことですよ。


[感想記事一覧]
ウィザーズ・ブレイン(1) - 偏読日記@はてな
ウィザーズ・ブレイン(2) (3) - 偏読日記@はてな
ウィザーズ・ブレイン4(上)-6(中) 他 - 偏読日記@はてな
ウィザーズ・ブレイン6(下) - 偏読日記@はてな


<2位>

狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)


【07下期ラノベ投票/既存/9784840239332】


ホロかわいいよホロ5割+経済ネタ5割で楽しんでます。
キャラクター小説としてのレベルの高さと、単純に物語としての話の運び方の巧さを両立した実に良質な「ライトノベル」でしょう。
そして繰り返すけどホロかわいいよホロ。


[感想記事一覧]
狼と香辛料 - 偏読日記@はてな
狼と香辛料(2) - 偏読日記@はてな
狼と香辛料(5) - 偏読日記@はてな


<3位>

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)


【07下期ラノベ投票/既存/9784829119785】


SFな見かけとは違い本質はまさにチームスポーツもの、それも技術よりも精神論なスポ根もの。
こう書くとかなりのキワモノ作品のように思われる向きもありましょうが、その実は愚直なまでに王道。
むやみやたらと舞台が大きくなっていくのに負けず「根性」を突き通してくれるのが素晴らしいです。


[感想記事一覧]
クジラのソラ(1) - 偏読日記@はてな
クジラのソラ 02 - 偏読日記@はてな


<4位>

ガンパレード・マーチ山口防衛戦〈3〉 (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ山口防衛戦〈3〉 (電撃文庫)


【07下期ラノベ投票/既存/9784840239868】


既存ゲームのノベライズという域を超えた傑作ラノベ架空戦記。
原作の世界設定を壊すことなく、その中で新しい物語を構築するその手腕には唸るばかりです。
そこらの粗製乱造される架空戦記よりもよっぽど「戦争モノ」してますよ、これ。


[感想記事一覧]
ガンパレードマーチ 山口防衛戦(1)〜(2) - 偏読日記@はてな
ガンパレードマーチ 山口防衛戦(3) - 偏読日記@はてな


新規作品部門

<1位>

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)


【07下期ラノベ投票/新規/9784150309046】


「こんなに格好良い卑弥呼が読めるのは小川一水先生の作品だけ!!」 とにかくもうこの一言に尽きる。


[感想記事]
時砂の王 - 偏読日記@はてな

<2位>

アストロノト! (MF文庫J)

アストロノト! (MF文庫J)


【07下期ラノベ投票/新規/9784840120821】


細かく見ていけば粗は幾らでもありますが、まずその宇宙開発に対する著者の愛に打たれました。
ロケットが好き過ぎるだろこの人。
そして物語全体を支配しているある伏線の、あまりに強烈なサプライズ振りもまた素敵。あらゆる全てをその1点に集中させるような構成の潔さは他を差し置いて評価に値すると思います。


[感想記事]
アストロノト! - 偏読日記@はてな



2007年下半期の投票は以上のとおり。
新規作品部門に2作しか挙げられない時点で、俺のラノベに対するアンテナの低さが知れますね。
鉄板なシリーズを追いかけるのも良いけれど、もう少し新規作へ食指を伸ばしてみるべきなのだろうなぁ。