- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: コミック
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「世紀末を無事に乗り越えた仏陀とイエスが立川のボロアパートで共同生活」という設定の時点で既にあらすじを見た時点で既にある種の勝利は約束されたようなものですけど、読んでみると予想以上の素敵さ。
単純に男2人の貧乏ルームシェア生活をゆるく描くという部分だけでも上手いのに、そのなかにあまりにも自然に彼らが聖人であるがゆえのネタを混ぜ込んでくるのがシュールすぎてもう。
(買い物から帰ってきて缶ビール飲んで)「この一杯のために苦行してる」
「後光が差すから夜 外で徳の高いこと言っちゃだめだってば──!!」(いいこと言った仏陀に対して)
「偶像崇拝禁止しとけばよかったかな……」(商店街の福引で仏像を当てて)
等々、ゆるい日常生活の中に唐突に差し込まれる宗教ネタの飛ばしっぷりが素晴らしいです。
そして不謹慎といえば本当に不謹慎なんですけど、物凄く俗っぽく描かれながらも彼ら聖人を侮辱する方向に持っていっていないバランス感覚は流石。*1
どちらかと言えば「堅物だと思っていたあの人にもこんなお茶目な側面が!」的方向性とでも言いますか。
*1:これは俺の感覚で、真面目な信者の方々がどう感じるかはちょっと判りません