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キラ☆キラ - 椎野きらりルート(2)終了

『キラ☆キラ』特設ページ

キラ☆キラ

キラ☆キラ

どうしてなんだろうな。どうして本当に欲しいものは手に入らないのだろう?
それ以外は、なんでも手に入ったのに。

これは仕方のないことなんだ。大人の世界では、僕らのよくわからないような難しいことがいっぱい起こるんだ。
きっと、僕らはちょっとずつ世の中に慣れていかなくちゃいけないんだ。

パンクロックはいつだって間違いだらけだけど、それが優しいんです
ああいう音楽が味方をするのは、大抵、落ちこぼれた人とか、寂しい人とか、嫌われてる人じゃないですか

それにね、私は昔から、できればいつか社会の歯車って言うか……上手く言えないけど、周りと上手に馴染んだ優しい人になりたかったの。私、穏やかなのが好き。
歌は大好きだけど……


……そういうキラキラした世界に行くのは、いやかな

『キラ☆キラ』

ボーカル担当にしてメインヒロインの椎野きらりルート(2)、つまり「なんとしても見つける」からの展開を終了して「キラ☆キラ」完全終了。


余所見をして歩いていたら突然崖から落ちた(そしてそこから這い上がれなかった)とでも言うべきルート(1)の展開とは異なり、こちらはブレーキの無い自転車で坂道を踏み切りに向かって突っ込んでいくような感じとでも表現できましょうか。
あがいてもあがいても次第に重苦しい「現実」に押し潰されていく展開は読んでいて本気で辛かったです。

現在コミック版「キラ☆キラ」がドラゴンエイジPureで連載されていまして(俺は未読)、恐らくメインヒロインたるこのきらりルートに進むであろうと予想されるのですが少年誌であんなハードなネタをやるの?


が、他の2人のルートでもそうであったように、ただ重いだけの話で終わるわけではもちろん無くそこからの回復も描かれます。
ルート(1)もラストのスタッフロール+EDボーカル曲に入る流れがあまりにも素晴らしすぎて、あれはあれで爽やかと言っていいものになっていると俺は思っています。受け入れられない人も居るだろうけど。
しかしルート(2)はそんな評価が分かれそうなものではなく、万人が「爽やか」と思えるまさに完膚なきまでのハッピーエンド。

他キャラのルートを全て終えないときらりルート(2)に入れないというのも納得です。
これは「キラ☆キラ」の全てを締めくくるために用意されたお話だ。



そして全ルートを終えて思うのは、とことん「ダメな人」に優しい視線を向ける物語だったな、という事。

まずもって音楽に人生を賭けるバンドマン達が世間一般の「真面目な大人」の価値観からするとだいぶヤクザな商売、悪くに言うとダメな人たちですし。

環境や本人自身を原因とし微妙に世の中から外れてしまっている彼ら彼女らが、傷つきながらも何とか辛く厳しい世間と折り合う術を見つけていくのを実に共感に満ちた筆致で描いていると思います。

主人公・ヒロイン・彼らの友人連中・演奏旅行の途上で出会うバンドマン達、誰も彼もみんなちょっとダメな人達だけど、でもみんな凄く良い奴らなんだ。



細かいことを言うと不満が全く無いわけではもちろん無いですが、それでも今はこう言いましょう。本当に面白かったと。
久しぶりに本家サイトのゲームレビュー記事を更新してもいいとすら思っています。


まだまだ懲りずにOPムービーを貼ってる俺。


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