偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

ドイツ空軍強襲飛行隊

ドイツ空軍強襲飛行隊 (オスプレイ軍用機シリーズ)

ドイツ空軍強襲飛行隊 (オスプレイ軍用機シリーズ)

強襲飛行隊はルフトヴァッフェ迎撃戦闘機の中で最強の火器と防御装甲を持つ機を装備したエリート部隊だった。この部隊で戦うことが許されたのは志願者だけであり、例外的な状況の下では、パイロットは敵機に体当たりした後に落下傘降下することすらあった。
連合軍四発重爆の大群に立ち向かったドイツ空軍決死の重武装・重装甲戦闘機隊、その短いが、激烈な戦いの歴史。
(Amazon詳細ページより引用)


飛行隊全機が横一線に並んでそのまま敵爆撃機編隊に突っ込んで射撃(場合によっては事後体当たり)という特異な戦法をとった防空戦闘機部隊があったというのを「歴史群像」の特集記事で知り、ちょうど専門に扱ったの本が出ていたので買ったこの「ドイツ空軍強襲飛行隊」
「重装甲・重武装の戦闘機が集団で突っ込む」という説明だけ聞くと勇ましい絵面でとても強そうですが、現実にはそうそう上手く行かないわけで。そもそも戦闘機につける形容詞として「重武装」はまだ判るにせよ、「重装甲」ってなんだという話ですよ。機動性が求められるべき戦闘機の利点を殺してどうする。


敵爆撃機編隊に護衛の戦闘機が付いていない&強襲戦闘機部隊にある程度以上の機数が居なければならないという二重の条件を満たして初めて十分に活躍できる彼らは、確かにそういった限定状況下でなら圧倒的な強さをほこります。

しかし戦争後半になり、数を揃えられなくなった上に敵となる爆撃機たちに護衛が付くようになると出撃するたびに隊の3〜4割のパイロットが死傷するというおそろしい損害率に。
「12機で出撃して爆撃機編隊にたどり着く前に護衛戦闘機に掴まって全滅、パイロットの死傷率五割」なんて記述を読んで暗澹とした気持ちになったりしていました。


では他の戦術を取ればよかったのかと言えばそういうわけでもなく、そもそも四発重爆撃機の大編隊に対しこの時代のレシプロ戦闘機で迎撃を挑むという事自体が無理なのではないかという気すらしてきますね。高性能な四発重爆を量産出来るような国と戦争する事自体が間違ってるってか。