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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

天の向こう側

感想

天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF)

天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF)

先日死去のニュースを目にした際、実は一冊も読んでいなかった事に気付いてクラーク強化年間を個人的にやっている昨今ですが、「2001年宇宙の旅」の次に短編集であるこいつを読了。

原典が書かれたのがおよそ50年前、俺の読んだ日本語訳が出たのが俺が1歳のとき(つまり25年前)なのに全く色あせない面白さでした。
古さを感じさせないとは流石に言いません。事実、作中で登場する各種の未来技術や楽観的過ぎる宇宙開発への展望には、今となってはだいぶズレを感じた事も確かです。


しかし、どんなに社会環境や技術が進歩しようが人間の本質的な部分は美点も欠点も変わら無いという事、それを肯定的に描いて「未来社会の人間達」の物語として成立させる事に関しては文句なしに現在でも通用しているかと。まさに直球ど真ん中な「SF」なのですが、ひねた作品ばかりに触れてきた俺にはそれはそれでとても楽しいものでした。

一番のお気に入りは「遙かなる地球の歌」ですね。宇宙開発ネタとロマンスが高レベルで両立されすぎていて感嘆するしかありませんでした。あと「宇宙のカサノヴァ」の一発ネタっぷりは異常。あれはないわ。