偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

2008年上半期ライトノベルサイト杯投票

2008年上半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ - 平和の温故知新@はてな

恒例のライトノベルサイト杯、今年も開催します。
本企画は、「はてなキーワード機能を使い、ライトノベル関連サイトの管理人がおすすめのライトノベルについて語る」ためのものです。 ラノベ感想・書評サイトはもちろんですが、「サイト持ち&ラノベ読み」であれば誰でも投票できます。マンガ系でもゲーム系でも、ラノベに関する話題も取り扱っているならガシガシ投票してください。
(中略)
普段からライトノベルを読んでいる方々に、それぞれのお勧めを教えてもらう企画です。
結果として、まだ見ぬ良書に出会えた人がいれば幸いです。

2008年上半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ - 平和の温故知新@はてな

2007年下半期に引き続き、id:kim-peace氏のところの2008年上半期ライトノベルサイト杯に参加。
ラノベを読む量が激減した今年前半の俺には、とてもじゃないが新規・既存両部門に5作品を挙げる事など出来ないながらも、その少ない中で面白かったものを選んでみました。


<既存作品部門>

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈1〉 (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈1〉 (電撃文庫)


ガンパレードマーチ九州奪還
【08上期ラノベ投票/既存/9784840242608】


ガンパレード・マーチ 山口防衛戦(4)&九州奪還(1) - 偏読日記@はてな

(前略)
が、この榊涼介版「ガンパレード・マーチ」は、同じ世界観を用いながらもこれまでのスピンオフ作品とは一線を画しています。ゲーム版の主人公達と同等、もしくはそれ以上に小説版オリジナルの「普通の人達」に光が当たっているのです。


此処まで来るとある種の架空戦記、言い方を変えれば戦場という極限状況を舞台にした群像劇と言う意味で物凄い高みに達してしまっています。今までにも何度か書いていますが、最早これはゲームのノベライズなどという枠に収まるものではありません。「ガンパレード・マーチ」という世界観を使った立派な一つの作品だ。
(中略)
わかりやすい「頑固な『大人の軍人』達と思考の柔軟な主人公達」という構造をとらず、学兵・自衛軍問わずどんな立場だろうが有能なものは有能だし無能なものは無能という容赦の無い描写をする所がまた素晴らしい。この辺りがありきたりの「戦争モノのラノベ」を越えた「ラノベ風架空戦記」に本作を昇華させている要因の一つでないかと俺は考えています。

ガンパレード・マーチ 山口防衛戦(4)&九州奪還(1) - 偏読日記@はてな

これを取り上げずして何を取り上げましょうか。
ゲームノベライズという枠を超え、「戦争物のラノベ」の枠を超え、戦場という極限状態を舞台にした群像劇としてある種の高みに達している本作を選ばないなどあり得ません。
原作ゲームが好きだからこのシリーズを読んでいたのが、今では純粋に小説として好きだから買っています。


既存作品部門はこれ一作で打ち止め。純粋に数を読んでいないというのもあり、たまたま刊行時期が2008年1月〜6月に含まれなかったため泣く泣く選べなかったものもあり。「時載りリンネ!」を選ぶつもりだったのが、2巻が2007年12月、3巻が2008年7月でちょうど外れてしまい涙を流したのは俺だけではないと信じたい。



<新規作品部門>

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)


【08上期ラノベ投票/新規/9784094510522】

とある飛空士への追憶 - 偏読日記@はてな

とにかくもう、ほろ苦くも爽やかなラストが本当に良かった。

ラスト数十ページを読んでいる時は物語が「終わってしまう」ののが怖くなりページを繰る手が止まりながらも、しかし先を読みたい気持ちが同じくらい強くて再び読み始めるのを繰り返すという実に妙なことをしていました。

とある飛空士への追憶 - 偏読日記@はてな

あまりにも鉄板過ぎて取り上げなくても良いかもと最初は思いましたが、楽しんだことは事実であるので考え直して投票。おそらく今回の新規作品部門のトップ3には確実に入るでしょうね。
非常に手堅い作りで、「ラノベ」ならではの破天荒な楽しさと言った部分はほとんどありませんけど、純粋にお話として上質。俺の周りのミリタリな人にも妙に評判が良かったりするあたりが、この作品の「普遍性」を象徴しているのではないかと。



ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)


【08上期ラノベ投票/新規/9784309463087】

(感想エントリはまだ書いていないので抜粋は無し)

・何をライトノベルとするかの定義は自由です の言葉を信じ、全力で空気を読まずに「ハローサマー、グッドバイ」を推すよ!! 前回のラノサイ杯で「時砂の王」がノミネートされ、あまつさえ数票を集めていたのだから本作だって問題ないはず。こんな表紙ですし。

都会から別荘地へのひと夏の旅、そこで出会う宿屋の少女と主人公。思春期の淡い恋心を育てていく彼らを、次第に戦争の影が覆いつくしていく……と言う青春恋愛小説なストーリーと、SF的な世界設定の融合が素晴らしいです。実は人類がただの一人も出てこない作品とは未読の人は思うまい。

たとえ俺が1票しか入れなくたっていい。ヒロインのブラウンアイズの可愛さ、ラストのどんでん返しをラノベ畑の人々にも味わって欲しいと心より願って投票します。


追記:こんなに勢いこんで書いているけれど発売日が7/4なので思いっきり選考対象外でした!! 
2008年下半期でもう一回投票するよ…… なにやってんだよ俺……



今回の投票は以上の通り。前回同様あまりにもアンテナが低すぎることを露呈してしまっているので、次回のラノサイ杯では両部門にせめて3作品ずつくらいは投票できるようにしたいですね。


<関連記事>
2007年下半期ライトノベルサイト杯投票 - 偏読日記@はてな
前回の投票記事はこちら。2007年下半期で好評で読み始めたいくつかのシリーズを読了する前に2008年上半期の投票時期が来てしまうなんて、本当にラノベの世界は時が経つのが早すぎる。