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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

その妄想が、全てを変える - 「CHAOS;HEAD NOAH」

感想 game

10周年記念ライブの前に未プレイのNitro+作品を全てプレイしておこうという意気込みの元に購入した「CHAOS;HEAD NOAH」
ライブ直前から開始し、ようやく1周目ノーマルエンド&優愛エンド終了。結構長い話なのね……


ちなみに本作にはPC版(「CHAOS;HEAD」)とXBOX360版(「CHAOS;HEAD NOAH」)があり、XBOX360に移植されるに当たりレーティングが15禁から18禁に変更されるというあまり聞いたことのない現象が起きています。
逆のパターンは良く目にするけれどどうしてこんな事が、と思えば残酷表現ゆえ。「持ち主の切り取られた××と一緒に送られてくる携帯電話」なんてものをCG付きでやろうと思ったらそりゃ18禁にもなるわ。


「その目だれの目?」-「CHAOS;HEAD NOAH」ってこんなお話

妄想科学ADV『CHAOS;HEAD NOAH』

「3次元になんて興味ない」──渋谷のとあるビルの屋上。お気に入りの萌えフィギュアたちに囲まれたコンテナハウスで、大好きなアニメとゲームとネットにおぼれる生活。主人公 西條拓巳にとって、それが世界の全てだった。
渋谷を席巻する「ニュージェネレーションの狂気」(通称「ニュージェネ」)と称される連続猟奇殺人事件も、外の世界との関わりを断って生きる彼には何の関係ない。そう、そのはずだった。
チャットに乱入してきた「将軍」と名乗る謎の人物から、次のニュージェネ事件を予言するようなグロ画像を送りつけられるまでは。


何か不気味なものを感じつつも、「将軍」の行為を只の悪ふざけだと一蹴した次の日。下校途中に拓巳は、送りつけられた画像そのままの凄惨な殺人現場と、その傍らに立つ血まみれの少女を目撃してしまう。

身の回りにちらつく「将軍」の陰。引き続いて起こる残虐な殺人事件。平穏だった拓巳の日常に、猟奇事件の陰が忍び寄っていく── 
(公式サイト・パッケージ裏等より引用・適宜改変)

引きこもりオタク少年という主人公の造形がサイコスリラーとここまで相性が良いとは、というのが最初の印象。
友人が少ないので頼る相手がいないうえ、普段は二次元の「俺の嫁」相手に使われる強すぎる想像力は追い詰められた状況では容易に被害妄想へと転化。ネット経由の脅迫で追い込まれ、妄想を通し自分で自分を追い込んでいきます。

「家を一歩出たら周囲の全てが敵」となるという意味では、主人公の造形とそぐわないように思える渋谷が舞台となっているのも納得です。例えば秋葉原ならこうはいかない。


デモムービーやパッケージ、イメージビジュアルなどで押し出されている「剣を持った少女達」というビジュアルから、それこそ良くある異能バトルものを想像してしまう人も多いでしょう。この記事の冒頭で紹介した序盤の粗筋もその手の作品に良くありそうです。
しかし始めてみれば相当にサイコスリラー寄りの内容。異能バトル的要素は全部主人公の妄想の産物で、もっと現実よりの部分で進んでいく話だと俺は思っていました。


だが予想はさらにもう一度裏切られ、最終的には何も知らない人がムービーなどを見て想像するであろう異能バトルと同じ所に着地。電波な妄想を積み上げることで現実にするとでも言いますか、異能バトルに至るまでの過程が独特で中々に面白かったです。
「妄想科学ADV」という意味不明なジャンル名(自称)も、全てを見届けた今ではとても納得がいきます。確かに「妄想」で「科学」だ。

にしても、サイコスリラーを読んでいると思っていたらいつの間にかFate風剣戟エフェクト*1を交えながら戦っていたのにはやってる俺もびっくりだよ!!


サイコスリラー × 妄想 = ??


「特定のタイミングでトリガーを引くと主人公の妄想力が高まって違う展開・CGを見れます」というマニュアルの記述はなんというか、その、とても味わい深いですよね。
そうやって妄想ビジョンを見ているうちに、主人公視点で自分が見ているものが果たして真実なのか疑いが湧いてくるのです。全ては精神的に追い込まれたこいつの被害妄想なのではないかと。
ときおり挿入される三人称視点での「主人公以外の人物の物語」が、単純に解説を入れてお話から飽きさせないようにする効果以外にきちんと構成上の意味を持たされているのは感心したところ。


登場キャラクターこそ女の子ばかりではありますが、お話を駆動させる要素として色恋は全く作用していないのでギャルゲ要素を期待すると裏切られること間違いなし。
なにせ登場する娘達を一覧にしてみれば

  • 「あなたは多重人格者で、裏の人格がニュージェネの真犯人なの!! 自首しなさい!!」と迫ってくるストーカー
  • 初対面の主人公に対してNSAが人間の思考を盗聴してる等々を切々と語ってくる怖い人
  • 電波MCが売りのゴスパンクバンドのボーカル  愛読書は「ムー」で、日常会話でも一方的に前世系の電波設定を押しつけ
  • アニメ声&萌え語尾(「〜なのら!!」) が世界観と全く合致しておらず存在そのものが寒すぎるロリ
  • 「私達、ずっと前から友達同士でしょ」と言い張って近寄ってくるけど主人公はその存在すら覚えていない謎のクラスメイト
  • うざい妹

あらためて一覧にしてみると普通の人が少ない!! というか居ない!!
ギャルゲ的「攻略対象」というより、主人公を精神的に追い込むサイコスリラーの登場人物たちの一人という印象が強いです。一部の人は精神どころか直接的に危害を加えてきますしね。監禁とか。
なんの裏も無いのは主人公の妹だけ。七海(主人公妹)は本当にこのゲームにおける一服の清涼剤です。

公式サイトなどで紹介されているイベントCGではいかにもギャルゲ的なものが散見されますけれど、あの中のほとんどは「こんなことがあったらいいなあ……」という主人公の妄想によって生み出されたビジョンですから。恐ろしいゲームだ……

OPムービー&OP曲が素敵すぎる

YouTube - CHAOS;HEAD NOAH OP (HD)


「〜NOAH」のOP曲である「fake me」(いとうかなこ)がムービーを見た瞬間に気に入り、ムービーだけをひたすら見ていました。

PC版XBOX360版アニメ版と存在する種々のオープニングの中で、俺はXBOX360版が一番好きですね。

Xbox 360ソフト「CHAOS;HEAD NOAH」オープニングテーマ「fake me」
Xbox 360ソフト「CHAOS;HEAD NOAH」オープニングテーマ「fake me」

CHAOS; HEAD NOAH(カオスヘッドノア)(通常版)【CEROレーティング「Z」】
CHAOS; HEAD NOAH(カオスヘッドノア)(通常版)【CEROレーティング「Z」】

*1:真っ暗な画面に三日月風の光が飛ぶアレ