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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

忘れるな、我が痛み - 「ゼーガペイン」1〜17話

感想 アニメ


YouTube - ゼーガペイン OP

快活な水泳少年キョウ。彼は千葉県舞浜近郊の高校に通い、恋愛や友情に忙しい学園生活を過ごす普通の高校生。
しかしある日突然やってきた謎の転校生シズノに導かれるまま、異世界での巨大ロボットとの戦闘に巻き込まれていく。
度重なる戦いをくぐり抜けていくうちに抱かれる数々の疑問。そして苦悩しながらもキョウは、自分や仲間を守るため戦闘に身を投じていく……
(公式サイトより引用) 


嘘はついていないけれど、真実も語っていないというか……  事前の知識なくこの紹介文とオープニングから皆が頭に描く物語と、実際の「ゼーガペイン」は相当に違うんじゃないかと思うのですよ。俺は10話くらいまで観てから初めてこの文章を見てちょっと笑ってしまいました。


もちろん、そのズレは良い方向のもの。


俺が以前に別の作品について語られたなかで感心した言葉に「奇抜な世界観ではストーリーはオーソドックスに」があります。そして、本作もまたその応用例の一つ。学園+ロボというある種の定番と、凝ったSF設定の見事な融合には感心するしかありません。
友情と恋と部活に燃える学園生活も、「異世界」でロボットに乗り戦いを繰り広げる日々も、それらを裏から支えるSF要素も全て等しく並び立ち、主従の区別なく物語を構成しています。
シーンごとの情報の密度の高さ、伏線とその回収の的確さ、そして観ているこちらが知りたくなった頃にちょうど良くやってくる設定説明シーンと、良い意味で展開が目まぐるしく片時も目を離せず。特に13〜14話など、プロットだけ抜粋したら超高速であまりにも急転直下しすぎなのに観ている最中にはただ引きこまれるばかりでした。あれは実に巧い。


キャラクターの面で言えばカミナギが可愛すぎて悶え苦しむ俺がそこに。
戦場/異世界の側の象徴となる転校生シズノと対極をなす平和な学園生活側の象徴である彼女、主人公の幼馴染みで守るべき平和な日常の証でCV.花澤香菜と言うところから「STEINS;GATE」の椎名まゆり(まゆしぃ)を思い出してしまいました。そして、まゆしぃにやられて同人誌まで出してしまった俺がカミナギに惹かれていかないわけがない。

「俺が抱えた痛みも、想いも、全てが戦うために用意された単なる障害、予定調和って事なんだろ!!
 カミナギ、お前は予定調和に組み込まれたデータなんかじゃない。たしかにお前はこの世界をしっかり生きていたんだ!」

ここから始まる14話ラストと特別版(カミナギ版)14話EDが気に入って何回も見てしまいました。あの展開こそが予定調和なのかもしれないけれど、そこまでの13話の積み重ねがあるからこそ特別なものになる。
いやらしいところなく、実に健康的にかわいいカミナギはロボットアニメのヒロインとして実に適役。こういったあたりで奇抜さを狙わない安定感が本作の土台を支えている部分なのではないかと思います。



……しかし、何もかもが100点満点というわけにもいきません。
惜しむらくは序盤の展開の遅さと引きの弱さ。主人公と視聴者の心情をシンクロさせ、中盤以降の爆発につながる基礎になっているのは判るんですが……  説明なしに出てくる各種SF設定由来の描写が初見では訳が判らなさすぎるのも問題か。
ファンの皆が「6話まで観てから判断してほしい」と言うのを以前に目にし、全26話のうち6話とはずいぶんと過大な要求をと思っていましたが俺も今では彼らに同意できます。6話まできてやっと序章が終わり、本格的に物語が動き始めますからね。
その点、バンダイチャンネルでの期間限定無料放送が1〜6話を対象にしているのは実に良くわかってると思いました。


YouTube - ゼーガペイン ED