偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

にゃー、にゃー、にゃー!! - 「絶対女王にゃー様」(1)〜(3)

絶対女王にゃー様 (ガガガ文庫)
絶対女王にゃー様 (ガガガ文庫)

●にゃー様のプロフィール● おしごと:絶対女王様/出身:ないしょ/年齢:12さい+?/必殺技:けつバット/第一武器:スパンキウスの杖。『にゃー様の宮殿』は、にゃー様のお言葉をいただきたい奴隷たちの集う宮殿です。チャットルームの目的外使用、およびリアルでのお誘いはご遠慮ください。宮殿には三つの掟があります。厳守してください。一、にゃー様の前では絶対敬語。二、にゃー様の御意には絶対服従。三、にゃー様の前では絶対全裸。ゆうことを聞かない奴隷さんのおしりには、にゃー様必殺のけつバット炸裂です☆

ガガガ文庫 - 絶対女王にゃー様

不登校で引きこもりの幼馴染み、香苗のPCのブックマークからたどり着いたチャットサイト「にゃー様の部屋」
そこは「にゃー様」を名乗る管理人と、奇妙な掟に絶対服従するその奴隷たちが集うサイトだった。
「にゃー様」の正体が幼馴染みなのではないかと疑った主人公は、自らを偽って「にゃー様の部屋」にアクセスしていくが……

とんでもないものを読んでしまった…… なんだこれ……
上記の概要を知ったときにはオンラインと現実の人間関係の交錯を主題に置いたお話かと勝手に決めつけていた俺が馬鹿だった。こいつはそう、何かもっと恐ろしいものでした。
中学生男子の行き所のないリビドーのもやもや、学校生活のゆるいけれど逃れがたい閉塞感、不登校の幼馴染みと向かい合うときのすこしだけ気詰まりな雰囲気。そのあたりの空気のようなものの描写が本当に精度がいい。
そういう透明な檻のようなものから解き放たれる3巻のラスト、幼馴染みと二人で見上げる朝日。そこまで来る過程がいびつなものだったとしても、彼らがたどり着いたそこの価値は損なわれない。1巻を読んだときに持っていたこの閉塞感がたまらない、という感想が予想外の方向で解消されて変な方向に気持ちよかったです。

そして、文章におけるエロ表現で高みを目指すというのはただ行為として過激なことをさせればいいってものじゃないと実感させられたのも本作を読んでのこと。つまりは行為にいかに文脈を乗せるかという話なんですが、2巻の「にゃー様」とのチャットHとか神がかってますよ…… 不覚にもちょっとおっきしてしまった……


絶対女王にゃー様2 (ガガガ文庫)
絶対女王にゃー様2 (ガガガ文庫)

絶対女王にゃー様 3 (ガガガ文庫)
絶対女王にゃー様 3 (ガガガ文庫)