偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

「ガールズ&パンツァー」が面白かったんだが

「見たらきっと戦車関係の些末な部分に無粋な突っ込みを入れてしまいそう…… そんな自分自身は嫌だ……」という自意識をもてあまして触れていなかった「ガールズ&パンツァー」を一念発起して全部(10.5話まで)見てみました。
ちなみに公式サイト等での事前情報を仕入れることは一切無し、Twitterで断片的な感想を目にしていたくらい。かなりフラットな状態で鑑賞に臨みました。

「ガールズ&パンツァー」 | 【アニメ】はバンダイチャンネル


なにこれ、最高に面白いんですけど。

華道・茶道などとならんで「戦車道」が存在し女子高生たちが高校の選択科目として戦車に乗って集団競技として戦ってる、という時点でなんだこれと思いながら見ていたら1話のラストで舞台になっている学校+周辺地域が実は超巨大空母(学園艦)の甲板の上だった、というのでもう俺の中で何か吹っ切れましたね。
どうしてこういう世界なのかという説明を延々やってしまいそうなところをほぼ省略。「この世界には戦車道ってものがあるんだ」という前提で押し通し、さらに段取りのえらく少ないスピーディーな展開でこちらに有無を言わせません。まさかこんなにあっという間に「全国大会」出場が決まるとは思わなかったよ……
あと、キャラクター的にも全体としてツッコミ役の不在の感があってとにかくどんどん突き進む。秋山さんがサンダース高校に潜入してくる回、皆が秋山さんの行動に特に何もコメントせず受け入れていたのがちょっと怖かった。

そうしてぶっ飛んだ世界観にだんだん慣れてくる「集団競技の部活もの」として非常にまっとうな作りをしていることが判ってきます。
才能と家柄に恵まれながらも挫折と失意を抱えて競技から離れていた主人公が、新しいチームメイトを得て再び戦いの場に……というのは王道一直線ですよね。

スポーツものの主人公たる資格 初心者・不遇者・挫折者 - どらまん。
この記事の分類でいうところなら「挫折者」が主人公のタイプ。
あっという間に10.5話まで観てしまい、ここから先の展開も楽しみでなりません。

あと余談として、戦車が好きすぎて友達が居なかった秋山さんはまだ判りやすくて良いんですが、「いつ友達になっても良いようにクラスメイト全員の誕生日を覚えている」西住さんの方が底知れない恐ろしさを感じさせますね。あの台詞を聞いたとき、あっこの娘やばい……と震えたよ。