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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

俺が、お前をメインヒロインにしてやる! - 「冴えない彼女の育て方」(1)(2)

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)
冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)

桜舞い散る通学路で運命の出会いをした……ハズの俺。
だが、相手はキャラが全く立っていないクラスメートだった!?
「ならば、俺がお前をメインヒロインにしてやる!」
丸戸史明のヒロイン育成ラブコメ、開幕!

富士見書房 | 冴えない彼女の育てかた

いつも参加させてもらっている札幌読書会(仮)での課題図書として取り上げられたのをきっかけに読んでみたこの「冴えない彼女の育て方」
1巻は「ギャルゲー・ラブコメ的な典型的展開やキャラクター性」について読者と作中登場人物達のどちらも精通している前提の上に立った上でラブコメラノベをやるというアクロバットを展開するにあたっての自縄自縛がすぎてちょっと読んでいて窮屈でした。
そうして読書会の課題図書で無ければ読まなかったな、と思いながら2巻を読んでみたら感想は一変。自分で立てたルールに自縄自縛されているような窮屈さがつきまとった1巻から打って変わり、窮屈さのなかで目一杯遊んでいるような印象で2巻は非常に面白かったです。1巻は本当に導入部でキャラクター紹介だけで終わっていた感があったのが、2巻で話が動き出してヒロイン3人が三者三様にいい感じに「キャラが立って」来たのが良かったですね。
俺は「冴えないメインヒロイン」こと加藤さんがいちばん好きです。

小説としてはだいぶ異色、ほとんどギャルゲー/エロゲーのテキストウィンドウに表示されるシナリオテキストをそのまま持ってきたかのような文体は慣れて乗れるようになるまでは少々辛いものがあります。
読書会の席上で本作の文章を「目がよく見えない状態でエロゲーをやっているような感じになってくる文章」と@eastmarlが評していたのはまこと言い得て妙だと思います。その分、会話の掛け合いに冠しては絶大な威力をはっきりしており主人公と加藤さんの会話芸は見事の一言。この辺、著者の丸戸史明はゲームシナリオライターとして長いキャリアと実力を持つだけのことはあるなあと思いました。

読書会当日にもかなり色々な議論が交わされ、俺の思っていないような方向から切り込んだ話もあってとても有意義な体験でした。どんな議論がされていたかは当日の議事録を参照のこと。


あと、作品内容と関係ない話としては読書会の開催日近くなるまで購入を忘れていたため、書店を探し回る時間もAmazonから届くのを待つのも惜しく即入手できる電子書籍版を購入して当日に間に合うよう読むことに。結果として本作が俺が初めて電子書籍の形で購入したライトノベルになりました(ちなみにBOOK WALKERを利用)
フォントサイズを上手く調整して7インチタブレット(Nexus7)で読むと文庫本を読んでいる感覚とほぼ変わらず、なんとなく持っていた電子書籍への忌避感がこの体験でかなり払拭されました。


冴えない彼女の育てかた 2 (富士見ファンタジア文庫)
冴えない彼女の育てかた 2 (富士見ファンタジア文庫)