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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

「カエアンの聖衣」

カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

服は人なり、という衣装哲学を具現したカエアン製の衣装は、敵対しているザイオード人らをも魅了し、高額で闇取引されていた。衣装を満載したカエアンの宇宙船が難破したという情報をつかんだザイオードの密貿易業者の一団は衣装奪取に向かう。しかし、彼らが回収した衣装には、想像を超える能力を秘めたスーツが含まれていた……


以前に知人から勧められていたものの絶版で入手をあきらめていた「カエアンの聖衣」が新訳版となって再版されたので購入。

初版1976年、すなわち40年前の作品なのに全く古びたところを感じさせず。あっという間に読み切ってしまったのはさすが名高いだけのことはありました。
それこそ神話にまでルーツをたどれそうな「持つ者に力を与え、代わりに破滅へ導く装身具」という普遍的な要素を中心に置き、めまぐるしく奔流のように投入されるSF的ガジェットや舞台設定がそれを彩ります。蝿の惑星、宇宙空間に適応すべく人体改造した新人類、監獄惑星からの脱出…… それ一本で話を作れそうなアイディアやシチュエーションが現れては次に移り、あまりの豊穣さに圧倒されるばかり。


「着るだけで他人を支配する力を得るスーツ」 それだけ聞いたら笑ってしまいそうなアイディアを見事に物語に仕立て上げているのが見事といってほかありませんでした。