ヲタはどうしてそんなにTVアニメを見るのか(そして俺はどうしてそんなに見ないのか)
どうもこの春のアニメ新番組は物凄い数になっているらしく、俺の巡回先のヲタサイトでも毎週「○○第△話感想」と言った記事を書いているところをよく見かけます。
数が多いだけでなく、なにかしら話題性の高いものも多いようです。
そんな中この日記で一言もアニメの話をしないのには深い理由が……あるわけでもなく単純に観ていないから。
第一話から最終話まで通して観た最後のアニメが「ちょびっツ」(2002年放映)で、ヲタ系オフ会なんかでカラオケに行くとアニソンを全く歌えなくて肩身の狭い思いをしたりしている俺ですが、どうしてそんなに観ないのだろうとふと不思議に思えてきたのですよ。
という事でとりあえず思いついた要因となるであろうことを箇条書きにし、それぞれの項目について考察してみました。
- あまのじゃくなので人と違う事をしたい
これは「アニメを見ない」という事の直接的な理由にはなりませんね。
あまのじゃくに生きたいなら「涼宮ハルヒの憂鬱」や「うたわれるもの」、「ひぐらしのなく頃に」といった話題作を見ないで「吉宗」やら「少女チャングムの夢」やらを観て痛々しく「世の中の流行に左右されないオレ様」に酔っていればいい話。*1
それに多少はそういう傾向はあるとはいえ、俺も怠惰な消費行動に終始するヲタ野郎の一人です。
他のジャンルではなんだかんだ言って話題になっている作品に手を伸ばしているのに、アニメに限ってそれをしない事の理由がわかりません。
- 内面/心情描写が薄いため、「物語」として質が劣る
…それはひょっとしてギャグで(略
確かに他の手法と比較して「消費に有する時間*2当たりの情報量」は少なくならざるをえませんが、動画であるアニメだからこそ表現できるものもあるでしょう。
そもそも表現手法に関して何が優れていて何が劣っている(例:小説は漫画より素晴らしい!!)とか言う人は、高級料亭の懐石料理を屋台のラーメンと比較して早く出てこないから駄目だなんていうのと同じくらいくだらないと個人的には思います。
が、俺は元々小説読みな人なので地の文でのいろいろな描写がある事に慣れてしまっているため、基本的に外面の台詞と動きだけでお話を語らなければいけないアニメに関して若干の抵抗があることは否めないですね。
とはいえこれも観ない事に対する直接的な理由にはならなさそうです。
- 放映日時が固定されているので自分のスケジュールを作品に合わせなければならない
回答:録画しましょう
- 途中中断が難しい
流される動画を受動的に観るというスタイル上、鑑賞途中での任意の中断が他の表現手法に比べて難しい(特にTVアニメ)と言えるでしょう。
が、録画して停止すればいいのではないかと言われれば返す言葉もありません。
それに本当に没頭している場合はアニメ以外でも途中中断などもってのほかなので、これは観ない理由になるほど強い要因とは思えないです。
- (TVシリーズの場合)完結までに一定の期間がかかる
TVアニメはいわゆる1クール13話を単位として完結までに数ヶ月かかる事はざらであり、一つの物語を語るのに比較的長い時間をかけるメディアと言えるでしょう。
しかし連載漫画などは完結までに短くとも数ヶ月、下手をすれば数年かかるものすらあります。
完結までに時間がかかると言うのはけしてアニメのみに起こる事象ではなく、これをもって観ない理由にするのは無理があるというものですね。
- 消費するに当たって常に一定の時間を要求する
小説/漫画/ノベルゲーム等俺が好んで消費する「物語」の場合読み手の熟練(笑)しだいでいかようにも消費速度を上げることができますが、アニメではこれはなかなか厳しいです。
少なくとも俺は「早送りでアニメ見る人」なんて聞いたことがありませんし、もし存在したとしても小説を速読する人に比べて相当特殊な鑑賞の仕方ではないかと思われます。
ために「自分のペースで観る」ことが難しいと言えますね。
逆に所定の時間さえ満たせば確実にお話が一区切り付いてくれるという事でもありますけど。
強いて言えば要因として一番強いのはこれでしょうか。
消費するペースを向こう(製作者側)に規定されるという事があまり好みでないので、これと上記の「中断が難しい」「完結まで期間がかかる」「放映日時の固定」等の要因が合わさったものが俺の「アニメを見ない原因」かと。
とはいえこの結論はこじ付けにも程があり、結局のところ趣味に割けるリソースを他の事(本・ゲーム・ネット等)に食われてアニメにまで手が回らないと言うのは本当のところかもしれません。
書いてみれば最初にぱっと思いついた箇条書きの項目が考察するにつれてほぼ全て否定されてしまってびっくりですよ。
むしろこうやって考えてみる事により、大多数のヲタの方々がアニメを観る理由が逆説的に浮かび上がってきたり。
観ている人が多いのでみんなと話題を共有しやすく、動画と音声という手法上理解が容易であり、確実に一定の期間でお話が一区切り付く/完結する。
はてな移転前に少し書いたように、TV本体という初期投資さえすれば半永久的に無償で作品を享受できるという圧倒的なコストパフォーマンスの良さも外せません。
このあたりのヲタコンテンツとしての「優秀さ」を、アニメを良く観る側からの視点で誰か語って欲しいものですね。
あと、俺同様に「アニメ観ないヲタ」の意見サンプルも欲しいかも。