偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

ライトノベル「超」入門

ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]

ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]

「評論家」な人ではなく、現役のライトノベル作家自身が書いた入門本だという事に興味を引かれて購入。


「超」入門のタイトル通り「ライトノベル」という名前くらいしか聞いたことのないレベルの人を対象にしているため、ライトノベルを平常読んでいる人にとってはそこまで目新しい話はありません。
ライトノベルに関連する各種ヲタ項目(ex.コミケ、エロゲ/ギャルゲ)等に話が膨らみそうになると、「これ以上は本書の範囲を超えるので…」と話を打ち切る事が多いのも読んでいてなんとも釈然としない気分にさせてくれます。


しかしまがりなりにも「ライトノベル」という名称の発生からその後の発展、定義論から内容類型・代表作解説、そして今後の分野としての「ライトノベル」の将来の展望までを新書一冊である程度までまとめきっている点は素直に評価してよいと思います。
全く知識が無い人に対して概論を解説すると言う役目は十分に果たせているかと。
とはいえ、俺は既にこの本では深く解説されていないバックグランドとなる各種ヲタ知識/感覚を既に備えてしまっているので、本当に「知識の無い人」が読んだら違う感想を持つ事になるのかもしれませんけど。


解説本だと思わないで、作家新城カズマの「ライトノベル」と言うものに対する考えを述べたエッセイだと思って読むのもある意味正しい読み方なのかもしれません。
第四章「ライトノベルのウソ・ホント」第五章「ライトノベルはどこへいくのか?」辺りは普段なかなか垣間見る事の出来ない「書く側から見た『ライトノベル』について」の記事でなかなか面白かったです。