偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

どうして俺は「拝み屋横丁顛末記」を楽しめないのか

先日実家から大量に漫画を持って帰ってきて、その後暇を見ては少しづつ読み進めてました。
大方の作品は楽しめたので帰りの荷物に無理やり詰め込んでまで持ってきた甲斐がありましたが、一つだけ後悔しているのは「拝み屋横丁顛末記」


今まで数々の漫画や小説といった「お話」を読んで培った経験と、Web上で散々「お話」の感想を書いたことで得た審美眼ではよく出来た話だと理解は出来ます。「理解」は出来るんです。
しかし読んでいる俺は全然面白くないんですよ。それこそこれっぽっちも。
理性では面白いと評価しつつそれに感情がついてこないと言うのは初めての経験です。


最初にこの事実に気付いたときは、「拝み屋〜」の主要登場人物のほとんどが青年〜老年男性であることに鑑みてついに俺は萌えがないと作品を楽しめないタイプのヲタになってしまったのかと絶望にさいなまれて素で落ち込んでました。
が、「シグルイ」や「へうげもの」をここ最近読んだ漫画の中で一番のヒット(英語的表現)だと思っているような俺が「萌えがないと作品を楽しめないタイプのヲタ」だとは思えないし、では何故「拝み屋〜」がダメなのか。


意外なところからこれを解明してくれたのは、某氏と上記の話をしていて出てきた「暗くないからじゃない?」の言葉でした。
言われてみれば幽霊やら心霊現象やらをネタにしてる割には一貫してコメディタッチですし、そのあたりがお気に召さなかったのかも。
あとは主要登場人物の一員である元拝み屋の爺さん3人組が「積み重ねた人生の重み」なんかを感じさせないお馬鹿&お茶目なキャラとして描かれているところなんかもいまいち受け入れられませんでした。




…頭でっかちにこんなこと書いてしまいましたけど、「拝み屋横丁顛末記」は普通に面白いコメディですよ。
上で書いた欠点もあくまで「俺」の好みに合わなかったというだけですし。
おっさん好きにはマジオススメ。