偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

「整合性」「根拠」なんて必要ない 〜画像生成系Webサービスで成功する為のたった3つのたいせつなこと〜

「自分の名前を入力すると特定のテーマに沿った画像が生成されるWebサービス」が巷の話題をさらった今年の後半。
有名なところでは「脳内メーカー」などが挙げられます。ブームを作ったのはやはりこれでしょう。
今ではそれこそ掃いて捨てるほど類似のサービスが存在しており、俺が最近やった中ではチミの適正職業辺りがまんまクローンですね。


この手のサービスに初めて触れたとき、根拠も整合性も何もなしに入力されたテキスト(名前)から適当に結果を生成しているだけという部分になんとはなしの反感を覚えたものでした。
またはそんな結果に対して一喜一憂するユーザー達に対してなんて馬鹿げていると醒めた見方をしていたというか。まさにKYだね俺!



でもね。
今更わざわざ言うことでもない気もしますが、
この手のサービスを使う人は誰も、結果に整合性や根拠なんて期待していないんですよ。

そこにあるのは「自分の名前」に紐付けされたネタ画像を使ってのちょっとした楽しみのみ。
こんな結果が出たよ!と、blogやなにやらを通じてコミュニケーションに使うための単なる道具であり、それ以上でもそれ以下でもありません。


なのでこの手のサービスを開発して成功するためにまず真に大切なのは、独自性のある「結果画像」を考え出すこと。
それにさえ成功すればもう勝ったようなものですが、ある意味では発想力勝負なのでこの段階が一番厳しいかもしれません。


次に必要なのは生成結果の画像を簡便にユーザーに提供する手段。
結果画像を保存してアップロードするなんて「面倒くさい」ことをユーザーはやってくれません。まぁ出来るのはコピー&ペーストの2動作くらいですか。
出来るならこの部分は生成された画像に対する一意なURLを提供し、blogやSNSの日記に「こんな結果が出たよ!当たってる!!」と貼ってもらえるようにするといいですね。


最後はサービス自身を広めてもらうためのリンクの提供。
これは上記の画像Permalinkとある意味では同じですが、アドレスバーからURLをコピーするなんて「難しい」ことユーザーはやってくれません。
「今日はこんな面白いサイト見つけました」とURLを日記に書いてもらうために、対象となるサービスのURLをはっきりと明示しておくことが大事です。


これらを統合したテンプレートを最初に作っておけば、あとは結果画像とそこに合成するテキストのアイディアが湧く限り(または世の中一般がこの手のサービスに飽きるまで)幾らでも量産が可能。

そういう意味では、姓名診断を導入するといった方向に進まずに生成される結果・扱うテーマ・結果画像の見た目をほんの少し変えただけの「新作」を次々発表する「脳内メーカー」の中の人の姿勢はビジネスとして真に正しいものでしょう。
2番煎じだろうが何だろうが同じようなサービスを作って発表する人たちも。
同じ名前を入力すると同じ結果しか出ない以上、次々に新しいものを作って投入しない限りユーザーに飽きられてしまいますからね。


……というか、実は俺もこの手サービスを作って一発当ててみようかとかなり真剣に考えていたんですよ。
が、大量のアクセスに対する負荷対策や上記の画像リンク提供のための具体的な手段あたりが俺の技術力的に厳しいものがあったので結局は作らず。
結果画像を作るだけなら画像にテキストを合成するだけですからGD辺りを使えば一瞬ですから。



そして「ギャルゲーヒロイン自動生成」がVer3からキャラ画像内にプロフィール文を書き込むようになったのもつまりはそういうことです。
「こんなキャラが生成されたよ!」と方々でネタに使ってもらいたいという考えからあのような仕様になっています。
本当は個別の生成画像に対する一意なリンクを生成するところまでやりたかったのですが、前述の通り技術力的に厳しくて断念。
いつかはやってみたいものです。