偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

エロゲレビューサイトはこの先生き残れるのか? - エロゲレビューサイト統計調査 in 2008

極寒レビューサイトの記録2008 - 二次元陳情

2008年11月にErogameScape様およびEroge RSS Checker様等に登録されているエロゲーレビュー・感想サイトの状況を、2006年に引き続き取りまとめました(→2006年版)ので、次のとおり成果物を掲載します。

404 Not Found

二次元陳情のtak99氏によるエロゲレビューサイト統計調査の2008年版が公開されていたことを、今ごろになって知ったので紹介。
総計945サイトについて調査を行った力作です。


ゼロ年代前半に日本のオタクネット界の片隅で隆盛を誇ったエロゲレビューサイトの現状が克明に記されています。
2006年の調査の時点で既にエロゲレビューサイト界隈が縮小傾向に有ることは疑いようの無い事実でしたが、今回の調査結果でそれが更に明確に。

Webサイトで「レビュー/評論」を書く人が減り、Blogで散漫に綴られる「感想」がエロゲ語りの主体になりつつあるという俺の実感を裏付ける結果になっています。
そうしてみると、2003年に本家サイトでエロゲレビューを開始、2006年に更新の主体をはてなダイアリーへ移行、2007年を最後にエロゲレビュー掲載を中止している俺はまさに時代の流れどおりに動いていたと言うことになりますね。


調査結果の中から面白かった事を幾つか取り上げると、

  • 対談形式でレビューを行うサイトは元から数が少ない*1うえに2004年から新規開設が無く、毎年数サイトずつ閉鎖しているので絶滅の危機
  • 2002〜2004年頃に一世を風靡した文字強調を駆使する「叫び系レビュー」(→参考例)サイトの新規開設はここ2年間無い
  • 2006年以降に開設されたサイトに限定するとアフィリエイトを導入しているものが半数に達し、またメーカー応援バナーを設置しているサイトがほとんど

ほかにも多数の興味深い事実が列挙されており、Web上でのエロゲ語りの現状を論じるに当たって不可欠な資料の一つといって良いのではないかと思います。
極寒レビューサイトの記録2008 にて調査結果の報告書と、調査の際の生データが公開されているので是非どうぞ。



……それにしても、2003年に活動数437サイトを数えピークに達したエロゲレビューサイト界隈が、2008年には活動数135・新規開設サイト5(!!)なんてことになっているのですね。
沈みかけた船から真っ先に逃げ出してその先のはてなダイアリーでそこそこの成功を収め、界隈に戻るつもりもさらさら無い俺が言うのは白々しいことだと判っています。だがそれでも、自分がひととき属していたコミュニティがこうやって衰退していくのを見せられると寂しい気持ちを抑えきれない。

*1:ピークの2002年でも13サイト