「私のホームページは毎日更新で、一日300ヒットもする!」なんて自慢されても、その、困る
ガンガンJOKER5月号の読み切り「あん☆りみてっど」より、プロ漫画家の主人公に対してヒロインが「自分の方が上手い!!」と主張するシーンの抜粋。
何故わざわざこれを取り上げたかと言えば、ここで彼女の挙げる数値的根拠になんとも釈然としないものを感じたから。
300ヒット/日って、ただのテキストBlogのうち*1より少ないくらいなのに、それは「自分の方が上の根拠」になるのか? と読んだ瞬間に思ったのです。
それで飯を食っているプロと自分が並ぶと主張したいなら、もっと数字は大きくあるべきだろうと。
しかし、本腰を入れて考えてみるとまた違った事実が浮かび上がってくるのです。
「私のホームページ」の概要についてはこの一言の台詞しかないので想像するしかありません。しかし、ヒロインが二次創作同人作家であること、あえて「ホームページ」という単語を使っていることからすると、いわゆる「イラスト+日記サイト」形式を取っている可能性が大きいです。トップページにその日に描いたイラストを掲載し、その下に短文日記とWeb拍手の返信。俺もこういったイラストサイトたちを幾つも巡回しています。
テキストBlogと違って検索経由の過去ログへのアクセスが難しい(ように思われる)イラストサイトの場合、ヒット数 = 定期的な訪問者数なのではないかと。
こういったイラストサイトの場合、トップページへの訪問者がアクセスの大半を占める事になるのではないかと。
逆にテキストBlogではこれが逆転し、定期的な訪問者よりも検索経由のアクセスの方が圧倒的に多かったりします。
俺の場合を例に取れば、一日の訪問者数のおよそ8割はトップページ(http://d.hatena.ne.jp/a-park)以外へのものです。トップページ、すなわち最新の日記へのアクセスは一日に100前後。
イラストサイト界隈の統計調査をすることなしに推測だけで書いてしまっているのが苦しいところとはいえ、ワード検索に匹敵するほど画像検索経由のアクセスが多いとは思えないんですよね。
……まあ、「自分の方が凄い理由」としてホームページのヒット数や同人誌の売り上げを上げる時点で何かを踏み外していて、その点ではキャラクター性を表す台詞としては上手いのかもしれません。
具体的な大小よりも、そう言った数字を通じてしか自己への評価を示せないメンタリティが問題といいますか。
そして、おそらく自分でサイト/Blogを運営していない人にとっては30だろうが300だろうが3000だろうが関係なく、ただの大きい数字としてしか読まれないのでしょうし、そうやって深く考えないのが一番な気がします。
ちなみに「同人誌を20冊出して3000部売った!」については、まがりなりのも自分のBlogというサンプルのあるヒット数と違って完全に推測で書くことになるので今回は問題にしません
これも手の早さという意味では大したものだけど、部数的にはあまり多くない……のかな? この辺りは本当にわからないので。
そんな「あん☆りみてっど」 ガンガンJOKER公式サイトの立ち読みコーナで全編が読めるので気になった人は読んでみては。
「メイド×合宿所スレ×SAW」という、掛け合わせてはいけない者同士を混ぜたような妙な味わいのある話でした。読みきりということもあり、5月号の中で一本だけ浮いていた印象があります。
*1:ここ数ヶ月はだいたい400〜600/日の間を変動