「Steins;Gate」プレイ開始
秋葉原の裏通りの寂れたブラウン管専門店二階にしつらえた研究所(自称)で、バナナや携帯電話を電子レンジに入れてみたりジョン・タイターとメール交換したりしてますけど、「Steins;Gate」は本当に面白いですね。
プレイヤーへの新しい情報の出し方がとても上手く、常に先の展開への興味を失わせません。これはプレイした人が口々に「止め時が判らない」と言っているのも納得。
同じく「科学アドベンチャー」を名乗りつつも中盤まではサイコスリラー色の強かった「CHAOS;HEAD」とは異なり、「Steins;Gate」は序盤から一貫してタイムトラベル理論/タイムマシンという主題から話が離れません。
飛び級で大学を卒業した物理学者の卵のメインヒロインがカー・ブラックホールの生成原理について長々と語るのを拝聴したりしていると自分がなんのゲームをやっているのか判らなくなってきます。
そして、こう書くと無味乾燥な科学ネタがひたすら続く話と受け取られそうですが、テンポ良く進む掛け合いのおかげであまり重くならないのは良くできてます。
改めてみると、口ばかり達者なリーダー(主人公)・物理学に堪能な天才少女(紅莉栖)・変態スーパーハッカー(ダル)・天然マスコット娘(まゆしぃ)という未来ガジェット研究所メンバーの構成(初期)は妙にバランスが取れています。ボケとツッコミ、解説役と物語を進める役、その他諸々を上手く役割分担しているとでもいえましょう。
アニメの女の子と妄想だけが友達の引きこもりが主人公だったために、掛け合いよりも主人公のモノローグでお話が進んでいった「CHAOS;HEAD」とは全く様子が異なっています。
ただいま4章まで進め、ようやく序盤の終わりと言う印象。本作独自のシステムである携帯電話を使ったストーリー分岐は選択とその結果の因果関係が判りづらいため全く当てずっぽうです。電話がかかってきたときに目の前で話している相手を優先するか電話に出るかで物語が分岐するというのまでは判りましたが、メールの返信に関しては何か意味があるのか全然判らないです…… どうすれば良いんだ、あれ。
それにしても、登場キャラクターが女性ばかり(含む「男の娘」)なのにお話を駆動させるのが恋愛沙汰ではまったくないところ、まともな人間が誰一人としていない辺りは正しく「CHAOS;HEAD」の流れを汲んでいると思う次第。
「CHAOS;HEAD」は中盤から終盤にかけての怒濤の盛り上がりがありましたけど、序盤の時点ですでに面白い本作がこのあとどうなるのか本当に楽しみです。