偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

検証 戦争と気象―天気晴朗なれども波高し


検証 戦争と気象―天気晴朗なれども波高し (銀河ウォーセラーズ)

日本海海戦当日の天気図」「真珠湾攻撃当日の天気図」「キスカ島撤収の当日の天気図」「トラファルガー海戦当日の天気図」など、過去の戦場を再現した当時の天気図から語ってみるという観点は非常に面白いです。戦争における天気予報の重要性、戦間期の気象観測・海洋観測の話も俺にとっては初耳の話ばかりでよかったです。
「戦争と気象」と銘打ってはいるものの扱っているのは海戦が多いのは、気象条件がそのまま戦場そのものに影響する海ならでは。

やや日本海軍を賞賛しすぎているところと、1編がとても短く語りきれないところがだいぶ残ってしまっている所が少々残念でした。あくまで本書は「気象の観点から戦史を読み解く」姿勢の入門書、これ以上は自分で調べてね、と言うことなのかもしれません。