読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

ひまわり - 総評

ひまわり - トップページ

高高度旅客機SA-DAN080型墜落事故。
2年前に起きたその事故は、僕から全てを奪っていった。

例えば、僕の両親。
例えば、僕の記憶。


だけどそのことを悲しいと思ったことは無い。
僕の側には宇宙部の仲間達がいる。

彼らに囲まれて、毎日が楽しかった。
事故の悲惨な経験など、すっかり忘れていた。

……そう、思っていた。
星の名前を持つ少女が、空から落ちてくるまでは。


(パッケージ裏から転載 一部改変)

同人ゲーム『ひまわり』 - トップページ

Tipsとバッドエンドを回収して完全終了。
おまけシナリオというには短いにも程がありすぎ、存在意義が最初はかなり謎だったTipsの内容にも納得。
本編では不遇すぎた某キャラエンドの救済ということですか。



全て終えてみて思うのはとにかく伏線の張り方とその回収が最高に上手だということ。これまでにも何度も書いているので今更ですけれど。
クリア順が完全固定(1章アリエス編、2章アクア編、3章アクアルート、4章明香ルート)である事を生かし、徐々に物語の全貌が見えていくそのさまには本当に鳥肌がたちました。

1章ラストから2章予告ムービーへの流れが最高に興奮するところなのは誰しもが認める所でしょう。
が、2章までを終えてから共通ルートをやり直してありとあらゆる部分に振りまかれた伏線の意味が理解できるようになった3周目プレイ序盤も俺にとっては驚きっぱなしの所だったり。

伏線なしに唐突にネタばらしがされる感のあった4章も、id:arsyuの人からメールフォームで情報提供をもらって2章の時点でヒントが出ていた事に気付いて愕然としたりしていました。


そしてこういった構成の妙以外に、ライターの宇宙開発に向ける愛情の深さにも感嘆。
「主人公が部活でロケット打ち上げ」なんて要素を織り込んでくる時点で予想は付く所とはいえ、4章で語られる「どうしてこうなったのか」の真相があまりにも(比喩でなく)宇宙的・SF的な意味で壮大だったのにはもう言葉もありません。

個人的に一番好きなのは、2029年「かぐや3号」*1「人類で始めて月の裏側に立った英雄」雨宮大吾
2章アクア編での彼の輝きっぷりは半端なものではありません。アレだけ格好いい親父キャラを描けた時点で勝ったようなものですよ。


「ロリっ娘宇宙人同棲ADV」なんて自称に騙されてはいけませんよ。こいつは本気すぎる宇宙開発SFギャルゲーだ。



更に下手な商業ゲームより使い勝手が良いとすら思えるシステム、版権フリーのものを集めたとは思えない質の高い音楽、そしてなによりもこれだけのものが1300円で買えるというコストパフォーマンスの良さ。

一部ギャグシーンが本編から浮いてしまっている所、伏線とその回収という構成は良くても人物の心情描写と行動の動機付けにちょっと納得の行かないところがあったりもしますが、それでも総体で言えば十二分に面白かった。
なにより俺がこれほど本気になって感想を書いている所から察してください。



公式サイトで公開されている体験版で1章アリエス編全て+2章予告ムービーの部分がプレイできるので、気になった人は是非どうぞ。


<関連記事>
ぶらんくのーと 『ひまわり』コンプ感想 - 或るシンフォニック=レイン好きの住処
2008-02-28 - やや最果てのブログ


俺が「ひまわり」を買うに至ったのはこの二つの感想エントリを見たから。
そういう意味ではとても感謝しています。良い物語に巡り合わせてくれてありがとうございました。

あと、ひまわり感想リンク集 - 或るシンフォニック=レイン好きの住処 で各所の感想を見て回ったら案の定アクアの人気が高すぎて笑った。いや、俺もアクアエンドこそが「ひまわり」の真のエンディングだと信じているくらいには好きですけど。ツンデレ黒髪ロングツインテールってマジ最高だよね。


以下これまでの感想記事。
ひまわり - アリエス編終了 - 偏読日記@はてな
ひまわり - アクア編終了 - 偏読日記@はてな
ひまわり - アクアエンド - 偏読日記@はてな
ひまわり - 明香エンド - 偏読日記@はてな

*1:「ひまわり」世界の日本は「かぐや計画」で月着陸を実現しています