皇国の守護者(3)
- 作者: 伊藤悠,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/04/19
- メディア: コミック
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北領での撤退援護戦闘も最終盤。相変わらず見事としか言いようの無い原作アレンジが光ります。
少尉3人組の描写が増えているのは原作読んで彼らの末路を知っている身としては実に悲しいですね。
それといつも原作と比較してどうこうといった話題しかしていないので、知らない人向けに内容についても語ってみます。
主人公が率いるは敗残兵を集めた小部隊、任務は「味方の軍勢が脱出するまで時間を稼げ」、そして敵軍は圧倒的、となれば智謀の限りを尽くして敵軍の裏を掻き、英雄になるといったお話になりそうですがそれを敢えてやらないのが皇国の良いところ。
2巻で自国内で焦土戦術を行う事を決定するシーンでの
ならばあらゆる道徳を守って 勇敢に戦うとでも?
半日後にはみんな揃って討ち死にだ。
…少なくとも僕は御免こうむる
死して無能な護国の鬼か
生きて姑息な弱兵か
───どのみち、地獄に落ちるにしても
せめて納得だけはしていたい
という主人公新城の台詞がこの漫画の「戦争」に対するスタンスを如実に表しているかと。
単純なヒロイズムを退け、戦闘シーンよりもその前段階の戦術や敵味方の腹の読みあいをメインにしたこの作品は国家間の戦争を描いた漫画としては出色の出来だと思います。
俺は原作小説の大ファンなので漫画版を買い始めたんですが、もう原作とか関係なく単純に漫画だけでも面白いですよ。
4巻が出るのは秋とのことなので気長に待つとします。