ウィザーズ・ブレイン6(下)
ウィザーズ・ブレイン 〈6〉 再会の天地〈下〉 (電撃文庫 (1500))
- 作者: 三枝零一,純珪一
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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「かわいい男の子とかわいい女の子が出てきて、物理の力で戦う未来のファンタジー」(著者インタビューより)の新刊。
前半の政治の世界を舞台にした舌戦の時点で素晴らしいクオリティだったのが、後半事態が動き出してからの主要キャラ入り乱れてのバトル展開でさらに燃える俺。
これだけ沢山の人物を動かして破綻無くまとめる事が出来るようになるなんて1巻を読んだ頃には思いもしませんでした。
本当にこのシリーズは巻を追うごとに面白くなっていきます。追いかけていてよかった。
能力バトル物の常として主要キャラは皆「能力でキャラが立っている」とでも言うべき一点特化型の奴らばかりなのですが、そこで際立つのは対戦ダイアグラムの妙。
俺がこのシリーズの5巻以降を特に好きなのは主要キャラが出揃って色々な組み合わせの対戦が見られるようになったからと言うのが特に大きいです。
今回も色々な組み合わせの対戦が見れて大満足。
なかでも重力制御特化型魔法士"光使い"セラ VS 情報観測特化型魔法士"千里眼"クレア の対戦が個人的に一番燃えました。
"光使い" 中の人が10歳の少女で近接戦が出来ないのと、そもそも能力自体が対艦戦特化なので3巻で登場して以来あまり活躍のチャンスがなかったんですがここに来て最高の見せ場が。
口絵にもしてもらったしね>セラ&クレア
それとこの文章を書いていて唐突に悟ったのですが、俺がリリカルなのはStrikerSについての考察(妄想)エントリを書く際にいつも触れていた「一般人と魔導師の対立」「人間兵器扱いされる魔導師」というのはウィザーズ・ブレインが元だったんですね。
圧倒的多数を占める「普通の人」を救うためなら少数の「普通じゃない人」(=魔法士)を犠牲にするのは許されるのかというのがウィズブレの根底を貫くテーマなわけで。
なのはStSではそういった事が直接問題として語られているわけではありませんけど、人間兵器扱いという意味ではウィズブレと同じようなものです。
「普通の人」から畏怖され実験材料として扱われ人権を認められない魔法使いというのは頻度の差はあれ双方の作品に共通して登場するので、その辺りで無意識のうちに何か繋げて考えてしまったのでしょう。
我ながらどうしてそういう発想にいつも行き着いてしまうのだろうと不思議だったのですが、これで疑問がやっと晴れましたよ。
<関連リンク>
偏読日記@はてな - ウィザーズ・ブレイン(1)
偏読日記@はてな - ウィザーズ・ブレイン(2) (3)
偏読日記@はてな - ウィザーズ・ブレイン4(上)-6(中) 他
これまでの感想記事一覧。
シリーズが進むにつれて次第に俺の感想記事が熱を帯びていくのが面白いです。