「ヤンデレ=主人公に危害を加えるもの」って本当に正しいの?
メロン秋葉原店に、サークルいつものところの同人ADVゲーム闘心伝すばるが並んでいて、POPが付いていた。
「選択ミス=即死 コレぞ究極のヤンデレゲー」 - アキバBlog
大阪・日本橋のメロンのPOPは「選択肢をミスると“即死” ToHeart2ブラックパロディADV」だったみたいだけど、秋葉原では『選択ミス=即死でおなじみ サークルいつものところ新作 コレぞ究極のヤンデレゲーだ!』だった。
「KANON」パロディの「kanoso」なんかを出していたところですね。なんとも懐かしすぎると思いながらこの記事を読んでいたのですが、少々気になる点が。
ここでいう「選択ミス=即死」というのはつまり物語の主体である主人公が死ぬと言うことであり、美少女ゲームにおいてそのような事態が起こる以上は主人公を手に掛けるのはヒロイン達ということになります。
そしてこの「女の子に殺される」という面をもって「究極のヤンデレゲー」という宣伝文句をつけているのでしょうが、ちょっと考えてみてください。
そもそも「ヤンデレ」の定義の中に「主人公(言い換えれば恋愛感情の向いている異性)に危害を加えるもの」というのはあったでしょうか?
少なくとも「ヤンデレ」という属性がヒットするきっかけとなった桂言葉@SchoolDays・芙蓉楓@SHUFFL!・木之坂霧乃@Gift あたりには、愛憎の果てに「病んで」主人公を手に掛けてしまうと言う要素は存在しません……とここまで書いて気付いたんですが幼少時の楓は主人公にカッター投げてましたね。
いきなり主張の根拠が崩壊したよ。
が、基本的に矛先は主人公への恋路を邪魔するものだけに向くのだと言うのもまた確か。。
これを書きながら「ヤンデレ大全」を本棚から引っ張り出して一通り眺めてみましたが、やはり「病んだ」結果の矛先が主人公に向かうキャラはほとんど居ません。
楓だってカッター投げたり首絞めたりしてたのは幼少時で、「ヤンデレ」と描写される長じてからの行動では矛先が主人公に向くことはありませんしね。
しかし先日発売された『ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD』では、全てのエピソードにおいて形は違えど矛先は主人公(この場合は語りかけの相手)に向かっています。
また、日課の「ヤンデレ」を含む日記 - はてなダイアリー 全チェックの中でひっかる創作短編などでも「主人公に危害を加えるヤンデレ」を見かける事がよくあります。
「属性」としての発見当時には無かった、あっても一部のキャラクターだけのものだった「主人公に危害を加える」と言う要素が、いつの間にか「ヤンデレ」を象徴するものの様になっているのは実に興味深いです。
この辺りの転換が何時起こったのかはかなり気になるので、いずれは詳細に調べてみたいところ。
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