ひまわり - アクアエンド
「ああ…いつか行こう、地球の裏側まで」
アクア編を終え、シナリオロックが外れたとのメッセージを目にしてもう一度最初から開始。
「大きい順メソッド」に従い明香ルートを目指していたらいつの間にかアクアエンドに進んでました。ふしぎ!!
どうもクリア順が完全に固定されているタイプのゲームのようですね。
途中にある思わせぶりな好感度系選択肢は全部ダミーか。
文章技巧的には多少首をひねるところもありますが、構成の上手さと言う意味ではもう文句の付けようもありません。
初回アリエス編で大量にばら撒かれ、アクア編で回収されたと思っていた謎と伏線たちが更にもう一転していくのにはあっけにとられた後に感嘆するばかり。
安心させておいた所で突き落とし、それを乗り越えたところでまた衝撃を与え。
「解り合って結ばれて良かったね」と凡百のエロゲ/ギャルゲならそのままスタッフロールに突入するのではないかと思える展開から、それを裏切った上で更なるカタルシスを与えるところに持っていくのが素晴らしすぎる。
ラストのアクアと主人公は余りにもバカップルすぎるけれど、それまでに彼らが乗り越えてきたものを思えば微笑ましく見れるというものです。
それにしても、この「ひまわり」という物語は徹頭徹尾アクアの為のものなのではないかと思えてならない次第。
物語のきっかけになるのは「落ちてくる」アリエスですけれど、第2章がまるまる彼女の話であること、3章アクアルートの充実振りを見る限りではメインはどう見てもアクア。
メインヒロイン……というよりむしろ主人公とすら言ってもよいかもしれません。過去に囚われた彼女と、(記憶喪失で)過去を持たない主人公がお互いに補い合い手を取り合って未来を目指す物語なのではないでしょうか。
……というか、一見メインのように見えるアリエスが物凄く不遇な立場に居る気がしてきました。構成や設定の面で色々と。
あと、内容には直接関係のないことですが各種TYPE-MOON作品パロディが酷すぎ。
「投影開始(トレース・オン)」(背景はFateをプレイした人にはおなじみのうねる緑の平行線)の下りは笑い死ぬかと思いました。直球過ぎるわ。
そもそも「主人公が大災害からのただ一人の生き残りで、災害のあった跡地は記念公園になっている」という基本設定がFate(こちらではスペースプレーンの墜落事故ですが)ですからね。
あまりにも自然に描写されるので2周するまでパロディだと言うことに気付きませんでしたよ。
これ以外にも大量のパロディが作品内で登場しますが、あくまでも「ひまわり」という物語がしっかりと構築された上での遊び心なのでそれほど気になると言う事はなかったりします。
…流石に「投影開始」はやりすぎだとは俺も思いますが。
恐らく最終シナリオである明香ルートのシナリオロックが外れたとのメッセージが出たので、次回クリア時には総評を書こうかと。
「部活でロケット打ち上げ」等の宇宙ネタに惹かれて買ったこの作品ですけれど、我ながらまさかここまではまるとは予想もしていなかったですよ。いや本当に凄いよこのゲーム。