偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

最近の読書 - 「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」から「クラウゼウィッチーズ」まで

個別に感想記事を書かないまま読了済の本が増えてきたのでまとめて更新です。


インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫)
インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫)

常識や倫理観をどこかに完璧に置き忘れ、歪みきった恋心に突き動かされるままに目的に邁進する本作のメインヒロイン比良坂れい嬢が、もう、もう最高すぎて!!
メタミステリとしての要素、女子中学生強姦魔を主人公に設定する倫理性など、語れるポイントはいくらでもある作品だけど俺はもう比良坂れい嬢の素晴らしさ一点でもってこの作品を認めます。P.183からP.192まで10ページにわたる比良坂さんモノローグ後に3章扉絵で「第三形態」の黒ずくめ&冷め切ったまなざしのイラストが来たときは歓喜のあまり声にならない叫びを上げてました*1



子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)
子ひつじは迷わない  走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

ありふれた学校生活を舞台にした日常の謎ミステリ、生徒会の業務として生徒達の悩みを聞いてその解決に努力する少年と安楽椅子探偵の少女の物語。これだけだと特筆すべき所の無い話のように思えるのが、妙な方向に黒さを秘めた人物造形が非常に良いアクセントになっていました。正直、怖さすらありますよこれ。
そして非常に初期、1巻の段階で主人公がメインヒロイン(表紙の眼鏡の娘)への好意をはっきり自覚しているというのも良かったです。あの二人で素直になれないカップルをやってくれるのかと思うと期待が高まりますね。
というわけでボーイミーツガールの導入としてもよかったので、続刊も読んでいくことに決定。



ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏 (電撃文庫)
ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏 (電撃文庫)

この、「初めて親元を離れてひとり暮らしする大学1年生の夏休み」を鮮やかに切り取った感じ!!
何気ないシーンでの感情の揺れ動きの描写がほんと巧くて、そうそう俺はこれが見たくて竹宮ゆゆこ作品を追いかけてきたんだよというふうに堪能させてもらいました。



クラウゼウィッチーズ
クラウゼウィッチーズ

もしドラ」をクラウゼヴィッツ「戦争論」で翻案したフォロワー、「もしも戦争部の女子高生がクラウゼヴィッツを読んだら」……と見せかけた、何かもっと違う方向に飛躍してしまった怪作。むやみやたらにハイテンションを維持したまま延々と続くどぎつい下ネタギャグの連発に頭がくらくらしてきます。「戦争論」の解説は各章の最後に申し訳程度に書いてあるだけだし、いったいなんなんだこれ。

*1:飛行機の中で読んでいたので