最近の読書 - 「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」から「クラウゼウィッチーズ」まで
個別に感想記事を書かないまま読了済の本が増えてきたのでまとめて更新です。
インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫)
「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」、比良坂さんを受容できるかどうかで読後感が変わるのと思うが知っての通り俺はヤンデレとか邪悪ヒロインとか本当に大好きなので もう ただ 歓 喜 / P.183からの10ページにわたる比良坂さんモノローグ+直後の「第三形態」扉絵でもう ダメ
「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」 終盤で、これこそが劇的な真相……!! → ここは現実世界だ、そんな推理小説みたいなことうまく行くわけないだろ と冷や水を浴びせてくるのが3連続(4連続?)くらいつづくので翻弄されすぎてついて行くのが大変だった
10年前、2003年あたりだったら「孤島の学園の『せんせい』になって教え子の少女達を食い散らそう!!……という抜きゲーの皮を被った怪作」としてエロゲーでリリースされていたんだろうな、とか思ったりする>「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい」
常識や倫理観をどこかに完璧に置き忘れ、歪みきった恋心に突き動かされるままに目的に邁進する本作のメインヒロイン比良坂れい嬢が、もう、もう最高すぎて!!
メタミステリとしての要素、女子中学生強姦魔を主人公に設定する倫理性など、語れるポイントはいくらでもある作品だけど俺はもう比良坂れい嬢の素晴らしさ一点でもってこの作品を認めます。P.183からP.192まで10ページにわたる比良坂さんモノローグ後に3章扉絵で「第三形態」の黒ずくめ&冷め切ったまなざしのイラストが来たときは歓喜のあまり声にならない叫びを上げてました*1
子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)
ありふれた学校生活を舞台にした日常の謎ミステリ、生徒会の業務として生徒達の悩みを聞いてその解決に努力する少年と安楽椅子探偵の少女の物語。これだけだと特筆すべき所の無い話のように思えるのが、妙な方向に黒さを秘めた人物造形が非常に良いアクセントになっていました。正直、怖さすらありますよこれ。
そして非常に初期、1巻の段階で主人公がメインヒロイン(表紙の眼鏡の娘)への好意をはっきり自覚しているというのも良かったです。あの二人で素直になれないカップルをやってくれるのかと思うと期待が高まりますね。
というわけでボーイミーツガールの導入としてもよかったので、続刊も読んでいくことに決定。
この、「初めて親元を離れてひとり暮らしする大学1年生の夏休み」を鮮やかに切り取った感じ!!
何気ないシーンでの感情の揺れ動きの描写がほんと巧くて、そうそう俺はこれが見たくて竹宮ゆゆこ作品を追いかけてきたんだよというふうに堪能させてもらいました。
「もしドラ」をクラウゼヴィッツ「戦争論」で翻案したフォロワー、「もしも戦争部の女子高生がクラウゼヴィッツを読んだら」……と見せかけた、何かもっと違う方向に飛躍してしまった怪作。むやみやたらにハイテンションを維持したまま延々と続くどぎつい下ネタギャグの連発に頭がくらくらしてきます。「戦争論」の解説は各章の最後に申し訳程度に書いてあるだけだし、いったいなんなんだこれ。
*1:飛行機の中で読んでいたので