現実と虚構の交差する時 - 《The Mirror》 (2015)感想
《The Mirror》 (2015)
椅子に座り,ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着すると,目の前の大きな鏡のようなディスプレイに映し出された自分の姿を見ることができます.すると体験者は,ダンサーに導かれるようにして,「ここ」ではないさまざまな場所へとすばやく移動していきます.鏡のようにディスプレイに映った自分の姿は,たしかに自分であると確認できますが,自分と鏡像との動きの時間的なずれによって,見ているもののたしかさが揺さぶられ,自己と身体とが引き離されていきます.そうして,現実と仮想空間との境界があいまいになり,自分が見ているものが現実なのか虚構なのかの区別がつかなくなっていきます.
ICC | 《The Mirror》 (2015)
8月のコミケ上京中に体験してきた《The Mirror》 なかなかに刺激的な体験だったので記録を残しておくために感想をまとめておきます。
《The Mirror》は、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催中の ICC | オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス 展示作品の一つです。
形式は体験型の映像作品、具体的にはヘッドマウントディスプレイを身につけて椅子に腰掛けて再生される映像を鑑賞するものです。
ただし単なる映像鑑賞と異なる点は《The Mirror》の名の通り体験スペースにヘッドマウントディスプレイを身につけて椅子に座る体験者自らを写す『鏡』があること。
百聞は一見にしかず、リンク先(《The Mirror》)の体験イメージ写真を見てもらうのが手っ取り早いです。
「そうして,現実と仮想空間との境界があいまいになり,自分が見ているものが現実なのか虚構なのかの区別がつかなくなっていきます」
体験する前は紹介文のこのくだりをいくらなんでも大げさだと思っていました。だが、実際に身をもって味わったあとではあながちこれも間違っていないと思えます。
ヘッドマウントディスプレイなので視界全てを奪われていること、映像の内容、目の前の『鏡』の相乗効果がかなり強烈で、ヘッドマウントディスプレイであることを十全に活かした作品だと思いました。これはスクリーンで上映してもけして同じ体験は得られないでしょう。
もっとも印象深いのは映像が終わって最後に係員がヘッドマウントディスプレイを取り外すために視界に入ってきた瞬間で、あの時はまささに映像と現実世界がリンクして背筋がぞわっとしました。
「この係員は本物の係員なの?」と一瞬思ってしまった。体験した人ならあの感じわかるはず
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年8月9日
ちなみに2012年に先行作品とでも言うべきものが公開されており、こちらはYouTubeに映像が上げられています。
4Gamer.net ― [TGS 2012]「.hackの世界」実現も近い? ソニーの特製ヘッドマウントディスプレイを使った仮想現実実験にサイバーコネクトツー松山氏驚く
《The Mirror》 (2015)はこれをもっと一般向けにマイルドにした印象ですね。
他のコンテンツ
《The Mirror》 を目当てに訪れたオープン・スペース 2016 メディア・コンシャスでしたが他の展示作品もなかなか面白かったです。
特に気に入ったのは、何も入っていない枠、鏡の入った枠、近くに置かれたカメラから枠とスクリーンとカメラの組み合わせで見る-見られるが交錯する ICC | 《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》 - 津田道子 (2016)
無響室で過ごすことで音のなくなった世界を実感できる ICC | 《still life》 - 藤本由紀夫 (2016)
これら二つ。
いずれもその場で体験することに意味のある作品で、《The Mirror》を体験できたのと合わせて行ってよかったと思いました。
夏コミおつかれさまでした&コスプレ写真まとめ
夏コミおつかれさまでした
設営完了!! 東K18a「宇古木亭」です #C90 pic.twitter.com/tVU1ojd4Sh
— a-park/宇古木蒼@9月砲雷L12 (@a_park) 2016年8月13日
(売り子をしていただいたひなたさん(左・大井コス) 手伝いに来てくれたあこやさん(右・北上コス))
更新が遅れて9月になってしまいましたが、改めて夏コミお疲れ様でした。
今年は張り切りすぎて8/8から上京していたため、上京して数日後には曜日の感覚が消滅して今が何時なのか、あと何日でコミケが始まるのか判らなくなりただ茫洋と時が過ぎていくだけの状態になってました。さすがにコミケの4日前から東京に居るのはやりすぎでした。
そして夏コミでは当サークルのスペースに来ていただきありがとうございました。
今回は製作管理のごたごたで、きちんと完結せずに「冬コミに続く」で終わるプレビュー本の形になってしまい申し訳なさしかありません。冬コミで完全版を刊行予定ですのでよろしくお願いします。
そんな夏コミ新刊は少部数ですがメロンブックスにて委託中です。当日スペースに来られなかった方はこちらでどうぞ。
魚雷よりも、大切なもの(宇古木亭)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
コミケ終了後の3日目夜には都内某所のいつものところで打ち上げしていました。
※個人宅です
また飲み会でGcolleの話をしてしまった
— a-park/宇古木蒼@9月砲雷L12 (@a_park) August 14, 2016
なんかFC2コンテンツマーケットとGcolleの話ばかりしていた気がします……
コスプレ写真まとめ
今回の夏コミではサークル参加すると同時にコスプレ撮影もしていました。西館から出られる埠頭公園は海をバックに撮れるのでコミケの人混みが嘘のように綺麗に撮れるのがいいですね。
以下、撮った写真からの抜粋です。
マキナさん(ガールズ&パンツァー・大洗制服ダージリン)
その他、夏コミ2日目で撮影させてもらったコスプレ写真は以下にまとめてアップしております。
2016/8/13 コミックマーケット90(2日目) | Flickr
文学フリマ・砲雷撃戦よーい! おつかれさまでした&新刊委託のお知らせ
忙しくて更新しないまま一ヶ月が経っていた……
5月初頭は文学フリマ東京(+Comic1委託参加)と砲雷撃戦よーい!、一週間間隔で連続同人誌即売会にサークル参加のハードスケジュールをこなしていました。
しかも両方とも職場の休日の都合で即売会当日の朝に上京して羽田空港から直接会場に向かう形でのサークル参加になってしまい、実のところどちらか片方だけの参加にしようかと最初は迷っていた部分もありました。
が、実際にやってみればどちらも楽しく、頑張って連続参加をこなしただけの収穫はありました。始発の航空便に乗れば当日朝に家を出て東京ビッグサイトのイベントにサークル参加が間に合う!!
5/1文学フリマ東京 & Comic1
「バーストリンク(隠語)」=Web上の情報からの個人情報特定と、特定されないための防衛手法をテーマにした合同誌「なれる!バーストリンカー改」に寄稿しました 5/1文学フリマ ツ-16 https://t.co/JghBYZPvFV pic.twitter.com/7dVBQY9BS9
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) April 30, 2016
文学フリマではこんな感じの本を出していました。
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) May 1, 2016
北海道からでも始発の航空便に乗ればその日の朝に出て東京の同人誌即売会にサークル参加できる
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) May 1, 2016
東京流通センター 文学フリマ ツ-16 よろしくお願いします pic.twitter.com/bJLsAY4q7y
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月1日
北海道から上京して東京の同人誌即売会にサークル参加は数え切れないほどこなしてきたものの、当日朝上京は初体験。この時は飛行機に乗り込んだのが離陸四分前の超綱渡りでした。
かなり大量に刷った「なれる!BL改」を積み上げ、黒地に赤のおどろおどろしいポスターを掲げた気合の入りすぎたスペースになっていましたが文学フリマだとこれでもちょっと過激なくらい。
なんたって「大安売り」の旗を立てているサークルなんてのも居ましたからね。文学フリマはそのくらい自由。
カバー&帯付き新書版、初めて作ったけどやっぱいいな pic.twitter.com/MYFaAC0CqS
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月1日
昼頃に文学フリマ会場の東京流通センターからビッグサイトに向かい、Comic1のまりりんさんのスペースに委託していた「コスプレイヤー島風鹿島妄想拡張ディスク」の残部を受領しました。今回初めてカバー&帯付きの新書版を製作しており、手にとって感動。
小説本を作るなら一度はやりたいこの作りですよ。
文学フリマ打ち上げ!! pic.twitter.com/2ROxW7CRm7
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月1日
文学フリマ打ち上げ pic.twitter.com/t0KG20N841
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月1日
2016年5月にもなってギルティクラウンの話しで盛り上がる……いや盛り上がるというより傷の舐め合い……?みたいな文学フリマ打ち上げだった
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月1日
打ち上げでは2016年にもなって今さらギルティクラウンの話を延々していました。振り返ると謎。
文学フリマで総発行部数のおおよそ半分ほどを売っており、残部については今後の同人誌即売会で関係者各位から頒布される予定です。直近の予定は6/26です。
第1回おもしろ同人誌バザールin 池袋ニコニコ本社.
『なれる!バーストリンカー改』は6/26ニコニコ本社開催の「おもしろ同人誌バザール」にて委託頒布予定です。直近で一番早く手に入る機会かと思いますのでぜひ。詳細はそのうち。
— あおいひと (@bmbmbl) May 20, 2016
また7/23札幌文学フリマにも参加予定です。
文学フリマ - 第一回文学フリマ札幌 開催情報
5/8砲雷撃戦よーい!二十五戦目
1週間ぶり pic.twitter.com/l5wKie1TrR
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月8日
この前の週もComic1のためにビッグサイトに来ていたので全く新鮮味がありませんでした。
設営完了 D-47 SSB & D-48 宇古木亭 よろしくお願いします!! pic.twitter.com/G4nJTxnJJo
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016年5月8日
今回のうちらのスペースの売り子さん達です。鹿島:あこやさん @akoya ・島風:ちろさん @chiro_chilcy pic.twitter.com/h0EtFaOake
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) May 8, 2016
島風のコスプレ・鹿島のコスプレをするコスプレイヤーの同人誌を発行しているところに、島風のコスプレと鹿島のコスプレをした売り子に立ってもらう おそらくこれ以上ないくらいに同人誌と現実が混在する最高のスペースでした。
売り子に立って頂いた@akoyaさん・@chiro_chilcyさんには本当に感謝です。
おまけ
「コスプレイヤー鹿島」の冒頭の描写を見てしまったあとだと、大規模同人誌即売会後に街で飲み屋の開店待ちをして居る同人作家っぽい集団(男女比9:1)を平静に見れない
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) May 8, 2016
コミケ後の集団打ち上げに紅一点として鹿島レイヤーの主人公が混じっているのが「コスプレイヤー鹿島」冒頭の展開なので、大規模な同人誌即売会の後に都内のターミナル駅で目にするそれっぽい打ち上げ大気の集団をもう邪な目でしか見られなくなってしまいました。
冬コミお疲れ様でした&新刊書店委託のお知らせ
冬コミお疲れ様でした!!
冬コミで当サークルのスペースに来ていただいた皆様、まことにありがとうございました。
ほとんどの時間を売り子にスペースを任せて艦これ本を買いに出ていたので俺自身はあまり応対できなくて申し訳なさもあり……
新刊はひとまず予定通りの数がはけまして、余った分は今年の各地の艦これオンリーに持っていこうと考えています。
コミケ開催3日前の12/27から上京し、飲み会にコスプレ撮影にサークル参加と最高に充実した年末でした。
全て書いていくと長くなりすぎるのでイメージ写真をどうぞ。
また今回のコミケは当サークルで初めて新刊で扱ったキャラのコスプレ売り子を立てて臨んでみました。
設営完了!! 東L-36a「宇古木亭」をよろしくお願いします。(売り子@akoya さん) pic.twitter.com/t4DmzUhODO
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2015, 12月 30
https://t.co/sQYTi4tCWT
コミケでコス売り子が居たところで来る人が増えたりしないでしょ、と思っていたんだけど実際に自分で頼んでみたらこういう増え方(売り子のレイヤーさん目当てに挨拶に来る人)があるってのがわかった。これは体験しないとわからないことだった
— a-park / 宇古木蒼 (@a_park) 2016, 1月 1
実際に体験してみて、コス売り子が居たところでなにも変わらないという以前の考えを改めた次第です。これはやってみないと判らないことでしたね。
このあたりは@akoyaさん本人が詳細にレポートを書いてくれているのでこちらがより詳しいかと思います。