偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

キリサキ

キリサキ (富士見ミステリー文庫)

キリサキ (富士見ミステリー文庫)

一度は死んだはずが、「やり残したことがある」という強い思いがゆえに現世に蘇った<俺>
だが、その精神が宿ったのは自ら命を絶った少女「霧崎いづみ」の体だった。
新しい生活。新しい身体。
霧崎いづみとして生活する<俺>に、ある日、転機が訪れる。
クラスメイトの死。犯人は、世間を騒がす連続殺人犯“キリサキ”だと言う。
─―なぜだ。なぜ今“キリサキ”が現れる?そいつはこの世に存在するはずがない。なぜなら“キリサキ”は…。俺は“キリサキ”を追うが―。


「霧崎」と「切り裂き」と「キリサキ」な訳ね。ははあ。
あからさまに怪しい撒き餌を置いておく事で、別の部分から目をそらさせるミスリーディングのさせ方はお見事。
虎眼先生の剣技に驚嘆する掛川城主安東直次ばりに「ホォオ」と声が出ちゃったよ。
少々、というかかなり非現実的なトリックには戸惑うところですが、それを言ったら物語の舞台設定の時点(異性の体で生き返る)で十分非現実的なので良しとしましょう。


あと、いくら富士見ミステリー文庫のキャッチコピーが「L・O・V・E!」だからむりやり「L・O・V・E!」な成分を入れてみた*1のが女の体に入った男と男の体に入った女のカップルってのは正直どうなのよ。

*1:著者あとがき談