「恋ではなく ―― It's not love, but so where near.」Web体験版
恋ではなく ―― It's not love, but so where near.
YouTube - しゃんぐりらすまーと『恋ではなく ――』アイキャッチムービー
2009年6月に情報が出てから1年半と少し。ようやく体験版が公開ですよ。
僕夏の過去の因縁・群青の群像劇・潮風の素直になれない二人・ナルキッソス3rdのライターの趣味爆発(今回はカメラ)をぜんぶ混ぜたうえで全体的に洗練させたような感じだった>「恋ではなく」 あと、かなり読みやすい
体験版の内容を過去の早狩作品を引用して一言でまとめれば上のツイートの通り。従来の路線を継承した上でより「一般向け」の洗練を加えた印象を受けました。こんなに読みやすい早狩武志シナリオって初めて……!!
男女二人の主人公がずっとお互いを意識し合っているのがバレバレで、もうお前らはやく付き合っちゃえよとしか思えない。そして、主人公たち二人の関係だけに終始せず自主製作映画撮影に関わる全員の中で人間関係が錯綜しているのがまたいいよね。
女性主人公をめぐっての男性主人公と主人公の親友、男性主人公をめぐっての女性主人公と後輩の少女と、三角関係の萌芽のようなものが体験版の段階で見えていて、ここからどう展開させていくのか楽しみでならないです。
ここにきて、公式サイトのスタッフコメントで「寝取り・寝取られはありません(=男女主人公がくっつく以外の展開はありません)」と明言されてしまっているのがつくづく残念に感じますね。そんな予防線を張らなくとも、このゲームを買うような人はそういうところで無駄に怒るようなタイプのプレイヤーではないとは思うのですけど。
また、舞台設定からすれば当然のことながら登場人物のほぼ全員が写真・カメラ・映画に対する造詣が深く、使っているカメラからして気合いが入りすぎていて目眩がします。そうでありながらカメラ・映画に関するうんちくをかなり意識的に抑えている感があり、これが読みやすさを高めていました。
往々にしてこういったネタを使ったシナリオは「作者の趣味語り」の場に堕してしまうところを、全く知識が無い人物に視点を移したり大胆にうんちく語りをカットしたりとうまく処理していて感心してしまいました。これが"管理された"早狩シナリオなのね。
恋ではなく -It's not love, but so where near. 初回版