キラ☆キラ - 椎野きらりルート(1)終了
- 出版社/メーカー: Carnival
- 発売日: 2007/11/22
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どうか、聴いてください。
命をかけて演奏します。
この、くそったれな世界に、精一杯の愛をこめて。
『キラ☆キラ』
ボーカル担当のメインヒロイン椎野きらりルート(1)、つまり「もう諦めて帰る」を選んだ方終了。
バンド結成〜学園祭〜大阪ライブまではほぼ完全に共通なので既読スキップであっという間に終わらせたものの、その後が本当に長かった。多分3キャラ中一番長いんじゃないかな。
そして内容の方も長さに負けない素晴らしさ。
お祭り騒ぎの連続で非日常の塊のようなバンドを組んでの演奏旅行が終わった後、お話のノリ自体は基本的に変わらないながらも急速に彼ら彼女らを取り巻く重い現実が押し寄せてくるのがこの「キラ☆キラ」の基本的な構成です。
沙理奈ルートでの「病弱」の話、千絵ルートでの家庭環境周りのあれこれなんかを目にして「家が貧乏なので進学を諦めなければならない」という事情を抱えるメインヒロインきらりもまた前記の2人のようにハードな展開が待ち構えているのかと思って進めていけば………なんだこれ。こんなのありか。
俺の予想を三回りくらい超えた方向に突き進んでいて心底驚愕。
いや、何が起こるのかネタバレすれば一言で済んでしまうといえばそうなんですが、そんなありふれた悲劇でも圧倒的なテキストの力がプレイヤーと主人公をシンクロさせ本気でどん底に叩き落してくれます。
正直言ってあまりにも唐突過ぎる気もするとはいえ、しかし物語的ご都合主義を感じるというよりそこにあるのはただ無力感のみ。あれは本当に辛い。
そうやってどん底に突き落としておいてそのまま終わるかと思えば、そこからの展開描く4章がまたかなり長く。
最初は4章を蛇足に感じたものの終わってみればこれ以外ないという爽やかさでした。
人によっては否定するかもしれませんけど、俺はこれもある種のハッピーエンドだと思いますよ。
他の2人のルートはヒロインと2人で「現実」に立ち向かっていくお話だとすれば、きらりルートは主人公が一人で「現実」を乗り越える話なのでしょう。
他が3章で終わるのに対してきらりのみ4章まであるのもそういう意味で納得。
あと、プレイした人にしか通じないネタでなんですが「知り合いのところで親切な人ばっかりの良い職場を紹介して貰った」の真相を、この台詞を聞いた瞬間に当ててしまった俺はネガティブな方向に想像力が発達しすぎだと思うんだ。
毎度のことながらOPムービーを貼ってみる。きらりルートを終えてから見返すとこの明るいノリがなんと言うかもう……
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