その目、だれの目? - 「CHAOS;HEAD NOAH」全ルート終了
7月頭に1周目を終えてから、コミケ準備で長らく中断していた「CHAOS;HEAD NOAH」を数日掛けて一気に終わらせたので感想でも。
CHAOS; HEAD NOAH(カオスヘッドノア)(通常版)
1周目は良いけど、その後は……?
その妄想が、全てを変える - 「CHAOS;HEAD NOAH」 - 偏読日記@はてな
引きこもりオタク少年という主人公の造形がサイコスリラーとここまで相性が良いとは、というのが最初の印象。
友人が少ないので頼る相手がいないうえ、普段は二次元の「俺の嫁」相手に使われる強すぎる想像力は追い詰められた状況では容易に被害妄想へと転化。ネット経由の脅迫で追い込まれ、妄想を通し自分で自分を追い込んでいきます。
「家を一歩出たら周囲の全てが敵」となるという意味では、主人公の造形とそぐわないように思える渋谷が舞台となっているのも納得です。例えば秋葉原ならこうはいかない。
その妄想が、全てを変える - 「CHAOS;HEAD NOAH」 - 偏読日記@はてな
内容については上記の感想でほぼ全て語り尽くしているので、これ以上言うことはほとんどなかったり。
サイコホラーだと思っていたら異能バトル(ただしそれなりに真面目な科学設定付き)になるという何とも評しがたいお話でしたよ。
それと、戯画化された「キモオタ」主人公というのはさして珍しい造形ではなくなっているとはいえ、本作の西条拓巳君の「キモさ」は本当に洒落になっていないため見ていて身を切られるような気分に。
プレイヤーの笑いを取るためにやっているのではない本物の痛々しさがそこにはある。……それに何のメリットがあるのかとは思いますが。
好きか嫌いかと問われれば好きな部類に入る作品ではあります。が、他人にお勧めできなかったり。
何故かと言えば、1周目クリア後のプレイが構成の関係であまりにも作業になっているから。
全10章構成で各ヒロイン個別ルートへの分岐が7〜9章付近にあるものの「分岐への選択肢」が序盤に集中しているため何度も最初からやり直さなければなりません。
各ヒロイン個別ルート・2回目以降のメインルートエンドの内容についても、裏事情を多少解説される程度で苦労に見合うカタルシスがほとんどないのです。だからと言って1周目だけで止めてしまえば謎が残ること甚だしく。
「プレイ回数を重ねるごとに新たな真実が明らかに!!」というシナリオ重視系ギャルゲ/エロゲに良くある構成の悪い面ばかりが出てしまっています。
これさえ何とかなればもうちょっと褒められるのですけれど…… さすがに既読スキップをひたすら眺めるのを強いられたのは弁護しがたいです。
次回作「STEINS;GATE」も楽しみだ
想定科学ADV STEINS;GATE OFFICIAL WEB SITE
「CHAOS;HEAD NOAH」と世界観を共有し、1年後の物語である「STEINS;GATE」と言う続編が企画され、もうすぐ発売予定。
痛々しい主人公、電波なヒロイン、何気に気合いの入った科学設定というのはもうこのシリーズの定番なんですね。
YouTube - STEINS;GATE OPムービー (HD)
「CHAOS;HEAD」が「渋谷と『剣』の物語」である事はOPムービーにもよく現れていました。(参考:YouTube - CHAOS;HEAD NOAH OPムービー)
こちらも事前情報で公開されているとおり、「秋葉原と携帯電話」を主体にしたお話なのが映像からもよく判りますね。