偏読日記@はてな

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「Wake Up, Girls!」告知イラストの場所を特定してみた

『Wake Up, Girls!公式サイト』

『Wake Up, Girls!』は、東北は宮城県の仙台市を舞台としてアイドルを目指す少女達の青春群像劇である。
(中略)
「舞台を宮城仙台に置き、"東北"から、元気で自注闊達な少女達をドラマチックに描きます。」

『Wake Up, Girls!公式サイト』

仙台!!??
今までの人生の中でもっとも長期間(6歳から18歳まで)宮城に住んで仙台の高校に通っていた身なので「仙台」の単語に即反応。「かんなぎ」も俺の地元(宮城県仙台市多賀城市~七ヶ浜町)を舞台にしていたし、ヤマカンとなにか変な縁があるのか。
そして気になったのがこの告知イラスト。最初に目にしたときは何も思わなかったものの、「仙台が舞台」と知ってから観るとなにか見覚えのある風景に思えてきたんですよ。


『Wake Up, Girls!』
(c)Green Leaves/Wake Up, Girls!製作委員会

思いついたらすぐにやってみよう!! ということで、仙台が舞台だと知った数分後に俺は「Wake Up, Girls!」 告知イラストの場所を特定を始めていました。

地域推定

ビルが建ち並ぶ地域を見下ろしているので背景はおそらく仙台市の中心市街地だろうと推測。また、市街地と撮影地点の間に川が流れており、仙台のビルが立ち並ぶような地域に流れている大きな川というと広瀬川で決まりです。
広瀬川は仙台の中心市街地西端を流れおり西岸/南岸は青葉山の森林地帯なので、イラストは広瀬川の西~南から東~北に向かって仙台の中心市街地を見ているのではないかと考えられます。

これらの情報を元に、イラストの背景になっている広瀬川沿岸地域は仙台市青葉区八幡5丁目から仙台市青葉区河原町2丁目までの9kmのどこかだと当たりを付けました。

地点推定

広瀬川東岸の上記9kmの範囲内が背景だろうと絞り込み、次はイラストの詳細に注目。背景の川には直線上の堤防と広い河川敷が見えるのでこれを第1目標とします。
さらに右から3人目の黒髪ロングの娘の頭の直上にある直角に折れ曲がった形状のビル、一番左の娘の頭の直上にある特徴的な四角形のビルと遠くにある非常に常に背の高いビルに着目。


『Wake Up, Girls!』
(c)Green Leaves/Wake Up, Girls!製作委員会

直線上の堤防を探し、これらのビルを元に地図上に線を引けば撮影した地点が判ると考えました。


ここで解説しておくと、こうした撮影地点特定にあたっては写真/イラストで直線上に並んだ特徴的な地点を見つけるのがまず第1段階になります。

これは以前、小樽で撮影されたと思われる写真から小樽港の防波堤の切れ目&特徴的なマンションの二点が直線上に並んでいることに着目して線を引き、旭展望台で撮影されたものだと特定したときの図です。


迷走、そして復活

目星を付けた範囲の広瀬川東岸地域には高校生時代に訪れたことがあったので記憶をさかのぼります。堤防が直線上だと覚えがあった仙台市青葉区角五郎付近だと見当を付けてイラストに該当するビルを探してみました……が、見つからない。かなり自信があったのでここでちょっとくじけそうになりました。

広瀬川の流れを下りながら堤防の形状を観ていくものの、イラストにあるような直線上の堤防はなかなか見つかりません。Googleマップの航空写真は低倍率だと直上、高倍率だと南からの斜めに撮影した写真になってイラストとは角度が違うのも見つけづらい一因でした。
9kmすべて探しても見つからず、そもそも広瀬川東岸という推定の時点で間違っていたのでは? とここまでの推定に自分で疑問が湧いてくるありさま。


ここにきてまったく見当が付かなくなり、自信を失った俺は漫然と広瀬川付近の航空写真を見ていました。


すると広瀬川の西岸、仙台市博物館の近くに綺麗に区画整理されているのに建物が皆無の地域がありまして。
なんでも戦災復興の際の諸事情でこうなったとのこと(wikipedia:川内追廻)。元の撮影地点特定をしばし忘れ、一休みしながら川内追廻地区に関する記事を何件か読んでいました。

そんな中で見つけた記事で大発見が。
川内追廻地区の現在 - NowFieldy's NowFeelDay !
リンク先の記事トップに載っている川内追廻地区から青葉山伊達政宗像を見上げた写真。
この写真の左下にわずかに見える柵、Wake Up, Girls!告知イラストの柵と似てますよね。

これに気づいた瞬間は電撃が走りましたよ。


特定

青葉城址の伊達政宗像という大きなヒントを得て、再び広瀬川の東岸を探索。すると伊達政宗像から北西を望む、仙台市青葉区大手町10付近の広瀬川東岸の堤防の形状がイラストと一致していることがわかりました。
判ってみると先ほどの川内追廻地区の対岸で、なぜここに気づかなかったのか自分でも不思議なくらいでした。


『Wake Up, Girls!』
(c)Green Leaves/Wake Up, Girls!製作委員会

右から三人目の娘の頭上にある直角に曲がったビル、一番左の娘の頭上のひときわ背の高いビルはすぐに判りました。
伊達政宗像と背の高いビルを線で結んでみると(画像の左下から伸びる直線)線上に一番左の娘のすぐ頭上にある特徴的な形のビルとおぼしきものがありました。

ここまで一致していればもう確定と言っていいでしょう。
というわけで、「Wake Up, Girls!」告知イラストは仙台の青葉城址の伊達政宗像の下から、北西の方向を見ているということが判りました。

判ってから検索してみると、柵が無いほかは告知イラストとほぼ同じ構図の写真が存在しました。
伊達正宗像に会える場所 - 仙台城址(青葉城址)の口コミ 【トリップアドバイザー】
俺は青葉城址に行ったことが無いので判りませんけど、もしかしたら有名な撮影ポイントなのかも知れませんね。


下手な先入観は命取りであるのと、Googleマップの航空写真と元ネタのイラストをずっと見比べているだけでは判らないことがある、というのが今回の教訓でした。まさか全く別件で検索した記事の写真がヒントになるとは。
これを今後の探索に生かしていきたいですね。


おまけ

検索してみたら既に地元の方が「聖地巡礼」を済ませていました。6/11付けの記事で、おそらくこの方が日本最速なのでは。
Wake Up,Girls!聖地巡礼|おすすめスポット|過労羅|みんカラ - 車・自動車SNS(ブログ・パーツ・整備・燃費)



らき☆すた』から6年後のスタッフ再集結、選ばれた7人のメインキャスト。そして仙台の街を見下ろす少女達のメインビジュアル。今後のさらなる情報にも注目していきたい。

「Wake Up, Girls!」 「らき☆すた」スタッフ再集結の話題作、公式サイト始動 | アニメ!アニメ!

公式サイトとは別のニュースサイトの記事。これ、答えが書いてあるようなものじゃ無いですか…… 「仙台市街を見下ろす」ポイントなど青葉山しかないので、先にこれを読んでいたらもっとすぐに特定できていたよ……