ハチワンダイバー(7)
- 作者: 柴田ヨクサル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: コミック
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おまえ、ババァが全部弱いと思うなよ
ババァだから怖いものなんてないんだよ
いつでも特攻隊の精神なんだよ! ババァだから
先の短ェ奴ぁ未練がなけりゃ精神的には無敵だ
だから一番強ェェのはジジイとババァだ!!!
……将棋とは全く関係ないけれど、余りにもこのシーンの前後が素晴らしすぎたので抜粋。
皆が自分の言いたい事ばかり言って話が噛み合わないのに、何故か物語が成立してしまう奇跡的なバランス感覚は毎度ながら本当に脱帽です。そしてそんな台詞回しが大ゴマを使った大仰な画面と組み合わさったとき、そこに生まれるのは異常な疾走感。
普通の漫画なら一〜数話に一度の「見せ場」的盛り上がりが、衰えることなく連続して繰り出されるのを読んでいくのはたまらない物があります。将棋シーンは毎度そんな感じなので読んでいて楽しすぎてもう。
それにしても「掛け金は命」の将棋を前にしてためらうう主人公に対し、何の根拠も無いのに勢いだけで気が付けば主人公のみならず読者まで丸め込む「ババァが全部弱いなんて思うなよ」の下りは素晴らしすぎる。普通なら格好良く主人公の「将棋」に対するスタンスやらを自省させて苦悩させて盛り上げるところが、対戦相手の話術にはまっていつの間にか指し始めてますからね。読んでいるこっちもびっくりですよ。