偏読日記@はてな

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「戦いの世界史 一万年の軍人たち」

戦いの世界史: 一万年の軍人たち
戦いの世界史: 一万年の軍人たち

人類が「戦争」という行為、現象、場所とどのように向き合ってきたかをあらゆる方向から掘り下げる大著。

本書の内容の幅広さは各章のタイトルを挙げてみればすぐに判るところで、第1章から順に抜き出してみると「1.戦いの相貌 2.敢闘精神 3.歩兵 4.騎兵 5.砲兵 6.戦車 7.損耗人員 8.工兵 9.航空戦力 10.司令官 11.戦争の原動力 12.不正規兵 13.戦争体験」と多岐にわたります。


これらは大別すると以下の二種に別れており、

  • 歩兵、騎兵、砲兵、戦車、工兵、航空戦力、司令官、不正規兵(軍隊の中の役割ごと)
  • 戦いの相貌、戦闘精神、戦争の原動力、損耗人員、戦争体験(戦争と人間の関わり)

「軍隊の中の役割・兵器/兵科の分類」のみならず、「人間が軍隊・戦争とどう関わってきたのか」についても非常に幅広く扱っていることが判ります。まさに「戦いの世界史」のタイトルに恥じません。
戦場の兵士のみならず、彼らと社会の関わりにまで幅を広げた射程の広さには原題が "Soldiers"、邦題の副題が "一万年の軍人たち" となっているのも納得でした。

そして原著は1985年の発行ながら、読んでいて古びた感がまったくせず。俺はとちゅうまでごく最近の本だとばかり思っていました。
これは邦題の副題の通り人類と「戦争」の1万年にわたる付き合いを題材にしているので、たった数十年の変化に揺るぎはしないということなのでしょう。