偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

謹賀新年&Blog11周年

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新年あけましておめでとうございます。

一般人もすなるblogといふものを、俺もしてみむとてするなり。 - 偏読日記@はてな

2006年にこの記事で開設してから本Blogもついに11年目に達してしまいました……11年!!?! この11年、俺はいったい何を……
もうこうなったら20周年まで頑張るしかないですね。まずは15周年達成まで。



2005年からの習慣にしているモナー神社へのインターネット初詣も完了。今年のおみくじは小吉でした。

【小吉】 (No.61143) モナー神社
願事 : 遅かれど思う通りになるべし
待人 : 来ず
失物 : 高き処にあり
旅立 : 慎重に行くべし
商売 : 売買ひかへめにすべし
学問 : 困難あり 心据えて勉強すべし
争事 : 初めは負ける
転居 : 其のまま居るが安全
病気 : 気遣い過ぎるは悪し
縁談 : 苦労するとも末は見込みあり 辛抱すべし

2003年の開設当時は時流に乗った最新のネタだったろうモナー神社も、2017年の今となってはもはや古代遺跡のような趨きがあります。それが「神社」という設定に妙にマッチしていて、今年は参拝(?)しながら妙な感慨にふけってしまいました。

冬コミお疲れ様でした&2016年振り返り

冬コミお疲れ様でした


遅ればせながら冬コミお疲れ様でした!!

(本記事を書いているのは1/11です。さすがに遅れすぎました……)


C91新刊 提督LOVE大井本 本文サンプル by 宇古木蒼(1日目東J56a) on pixiv


今回の冬コミではこんな感じでいつものように艦これ・提督LOVE大井本を出していました。
自分が初めてコミケで艦これ本を出したのが2013年冬コミなので、もう7回もコミケの艦これジャンルで出ていることになります。あっという間の3年でしたよ。



冬コミ新刊はいつも通り書店委託もしております。会場に来られなかった方はこちらでどうぞ。
メロンブックスは店頭・通販両方にあるようです。とらのあなは通販のみ。

2016年振り返り

公私ともに変化の大きい年だった2016年の中でも特筆すべきは以下の二つでした。

同人活動

2016年の同人活動のピークは間違いなく5月に「コスプレイヤー島風鹿島妄想拡張ディスク」を出したことでした。初めてのカバー&帯付き新書、過去最長の分量になり、過去最高の発行部数。
あの本は、長く同人活動をしてきたなかである種の到達点だったと思ってます。

おかげで2016年後半はやや燃え尽きていたところがあり、夏コミ新刊がプレビュー版になったりしていました。2017年からは復活していきたいところ。

コスプレ撮影

2010年頃から細々と続けていたコスプレ撮影で、縁あってスタジオやロケに誘っていただくのが激増したのが2016年でした。腰を据えて数百枚撮るのはやはり経験を積む意味でとてもよく、そして新しい機材がどんどん欲しくなる原因でもあり。
2016年初頭にはEOS60D+スピードライト580EX IIだけだったのが、1年でカメラとストロボが更新された上に周辺機器が激増してバッグ一つまるまるカメラ用品に使う必要が出てきてしまいました。2017年はもう機材を増やさないぞ!!

ちなみにどんな感じのコスプレ写真を撮っているか知りたい方は俺のflickrをどうぞ。
park a’s albums | Flickr



逆に言うと上記二つ以外の活動がかなりなおざりになってしまったのが2016年でして(Blogも20回更新出来ませんでした)2017年はそのあたりもう少しバランスを取っていきたいですね。

「メロディ・リリック・アイドル・マジック」感想

メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)
メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)

東京都沖津区―国民的アイドルグループ・LEDに叛旗をひるがえした女子高生アイドルたちがしのぎを削る街。高校入学に合わせて学生寮に入った「吉貞摩真」はそこが沖津区アイドルたちの根拠地であることを知る。しかし彼にはアイドルを好きになれない理由があった。一方、同じ寮で暮らす「尾張下火」は学校一の美少女「飽浦グンダリアーシャ明奈」に誘われ、アイドルグループを結成する。しかし彼女にはアイドルにまつわる暗い過去があった。言葉にできない二人の秘密が交錯するとき、アイドルの持つ真の力が明らかになる。メロディアスでリリカルなアイドル・熱血ラブコメディ、登場!

Amazonより

とある理由からアイドルどころか音楽そのものを忌避する少年と、一度はアイドルの道を選びながらも挫折した少女。
ひょんなことから知り合った彼らは、周囲の人間たちに巻き込まれ、巻き込み、アイドルグループ『メロディ・リリック・アンド・チューン』を結成していく──

(地下)アイドルとその(素人)マネージャー。表現者と、表現者を理解し支える者。
ほとばしる若い情熱に圧倒される実によい青春物語でした。


それにつけても石川博品は 本当に 文章が 上手い な

音声も動きも視覚的に表現できない文章だけの力でライブシーンを描写して読者の胸を打つってのがまず信じられないです。ことさらに美文を誇るのではなく、ごくありふれた表現、単語で語られているのに的確にこちらを刺してくるあの感覚。
デビュー作の「耳刈ネルリ」シリーズを読んだ時に衝撃を受けたあの『文章に力がある』とでも言うべき所がさらに洗練されて襲いかかってきて、序盤は数ページごとに休憩を入れていたくらいでした。


好きな人がアイドルになってしまったら、テレビやBooble+の中にいて、会いに行けるアイドルで、でも会えなくて、死別するよりつらい。

アイドルは選ばれし者しかなれなくて、死は誰もが行く場所だ。
(P. 265)



作中で語られる『アイドル』は、現実で言うところのアイドルよりもっとアマチュア寄りの女子高生が女子高生の立場のまま活動していくものです。広義のガールズバンドと言っても良いかもしれません。
であるからこそ、「興業」としてではなく純粋に人前で歌い踊り観客を楽しませることを志向する彼女たちと、その情熱を理解して支えるマネージャーの彼、ふたりの主人公の純粋さのようなものが光るのだと思いました。


コスプレイヤー島風+鹿島 Special Edition DL販売開始しました

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今流行の「コスプレイヤーモノ同人誌」の源流……「コスプレイヤー榛名」
その正統な続編「コスプレイヤー島風」「コスプレイヤー鹿島」「コスプレイヤー島風・鹿島 妄想拡張ディスク」の三冊がお得なオールインワンセットになって電子書籍で登場!!

というわけで、自分も設定・原案協力と小説版の執筆で参加させてもらっている「コスプレイヤー○○」シリーズの最新作がDL販売開始しました。榛名の次は島風・鹿島です!!


今回のSpecial Editionは、まりりんさん著の以下2冊の漫画と、

コスプレイヤー島風
「みんな撮るのに必死になっちゃって…ホントちょろ~い♪」
地方私立大の現役女子大生コスプレイヤー・チサ(同棲彼氏アリ)
即売会で上京すればカメコおじさんとホテル個撮&そのままアフター突入!!
そして突然の高額報酬撮影オファーの内容は…同人AV?

コスプレイヤー鹿島」
「売り子ですか?ぜひやらせてくださいっ♪」
島風コスプレイヤー・チサ、次は鹿島コスへ参戦!
イベント&打ち上げでチヤホヤされて大満足!!
数多の童貞絵師を渡り歩く彼女の次なる獲物は…?


自分が執筆している上記の漫画と舞台・キャラクターを共有する小説。

コスプレイヤー島風鹿島 妄想拡張ディスク」
鹿島コス売り子 / オタサーの姫 / 島風レイヤー / 即売会後オフパコ / 彼氏と同棲 / 同人AV コスプレ広場で微笑む可愛いあの娘の裏の顔とは…… 本書は『艦娘コスプレイヤー』を描いた小説同人誌です。


以上の三冊がセットになって割り引きもついております。
なおこれらは『現実世界で艦これの艦娘のコスプレをするコスプレイヤーを描いた同人誌です。
『艦娘の島風と鹿島』は登場しません。ご自身の性癖と相談の上、賢くご利用ください。


DL販売先は以下の通りです(今後も順次追加予定)

内容サンプル

コスプレイヤー島風 by まりりん on pixiv

コスプレイヤー鹿島 by まりりん on pixiv


GW新刊「コスプレイヤー島風鹿島 妄想拡張ディスク」 by 宇古木蒼(2日目東K18a) on pixiv



また、まりりんさん&自分でのコスプレイヤーもの作品の第1弾にして、コスプレイヤー島風/鹿島と舞台設定とキャラクターを共有する「コスプレイヤー榛名」も好評DL販売中です。

「『コスプレイヤー榛名 Special Edition』」/「まりりん」のイラスト

『コスプレイヤー榛名 Special Edition』 by まりりん on pixiv


より深く楽しむためにこちらも合わせてどうぞ。


現実と虚構の交差する時 - 《The Mirror》 (2015)感想

《The Mirror》 (2015)


ICC | 《The Mirror》 (2015)

椅子に座り,ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着すると,目の前の大きな鏡のようなディスプレイに映し出された自分の姿を見ることができます.すると体験者は,ダンサーに導かれるようにして,「ここ」ではないさまざまな場所へとすばやく移動していきます.鏡のようにディスプレイに映った自分の姿は,たしかに自分であると確認できますが,自分と鏡像との動きの時間的なずれによって,見ているもののたしかさが揺さぶられ,自己と身体とが引き離されていきます.そうして,現実と仮想空間との境界があいまいになり,自分が見ているものが現実なのか虚構なのかの区別がつかなくなっていきます.

ICC | 《The Mirror》 (2015)


8月のコミケ上京中に体験してきた《The Mirror》 なかなかに刺激的な体験だったので記録を残しておくために感想をまとめておきます。


《The Mirror》は、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催中の ICC | オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス 展示作品の一つです。
形式は体験型の映像作品、具体的にはヘッドマウントディスプレイを身につけて椅子に腰掛けて再生される映像を鑑賞するものです。
ただし単なる映像鑑賞と異なる点は《The Mirror》の名の通り体験スペースにヘッドマウントディスプレイを身につけて椅子に座る体験者自らを写す『鏡』があること。
百聞は一見にしかず、リンク先(《The Mirror》)の体験イメージ写真を見てもらうのが手っ取り早いです。


「そうして,現実と仮想空間との境界があいまいになり,自分が見ているものが現実なのか虚構なのかの区別がつかなくなっていきます」


体験する前は紹介文のこのくだりをいくらなんでも大げさだと思っていました。だが、実際に身をもって味わったあとではあながちこれも間違っていないと思えます。
ヘッドマウントディスプレイなので視界全てを奪われていること、映像の内容、目の前の『鏡』の相乗効果がかなり強烈で、ヘッドマウントディスプレイであることを十全に活かした作品だと思いました。これはスクリーンで上映してもけして同じ体験は得られないでしょう。
もっとも印象深いのは映像が終わって最後に係員がヘッドマウントディスプレイを取り外すために視界に入ってきた瞬間で、あの時はまささに映像と現実世界がリンクして背筋がぞわっとしました。





ちなみに2012年に先行作品とでも言うべきものが公開されており、こちらはYouTubeに映像が上げられています。

4Gamer.net ― [TGS 2012]「.hackの世界」実現も近い? ソニーの特製ヘッドマウントディスプレイを使った仮想現実実験にサイバーコネクトツー松山氏驚く



《The Mirror》 (2015)はこれをもっと一般向けにマイルドにした印象ですね。


他のコンテンツ

《The Mirror》 を目当てに訪れたオープン・スペース 2016 メディア・コンシャスでしたが他の展示作品もなかなか面白かったです。

特に気に入ったのは、何も入っていない枠、鏡の入った枠、近くに置かれたカメラから枠とスクリーンとカメラの組み合わせで見る-見られるが交錯する ICC | 《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》 - 津田道子 (2016)


無響室で過ごすことで音のなくなった世界を実感できる ICC | 《still life》 - 藤本由紀夫 (2016)


これら二つ。
いずれもその場で体験することに意味のある作品で、《The Mirror》を体験できたのと合わせて行ってよかったと思いました。