偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

日本における戦争と石油

図書館で偶然見かけて興味を引かれて読んでみたんですが、本当にアメリカって化け物ですね。

  • 太平洋戦争突入当時、アメリカ国内で規模が第20位までの製油所は全て一箇所で日本の全製油所を合わせた石油処理能力を凌駕する能力をもっていた (ちなみに当時の日本の処理能力は9万バーレル/日)
  • 戦争勃発時の日本国内油井数4000本(生産能力平均1バーレル/日) ちなみに同時期のアメリカは油井40万本以上、生産能力は平均9.7バーレル/日
  • 開戦当時の世界の原油生産量の約60%をアメリカが算出 ちなみに日本の産出量は0.1%
  • 開戦時の日本のタンクローリー保有数約1300台、アメリカは数万台(詳細な記述なし) 日本では1942年にタンク車の増産が計画されるも製造されたのはわずか9台
  • 戦前の日本の人造石油産業が生産したガソリン日産量の総量はアメリカのガソリンスタンド5箇所でその日のうちに売りさばける程度
  • 1941年における日本の人造石油産業による燃料油と重油の生産量は冬のニューヨーク市を一日半だけ暖房できる量

日本軍の間でも南方で陸軍と海軍がガチで油の取り合いをしてたとか泣けてくる。


よく(日本VSアメリカに限らず)「物量に負けたのであってそれ以外は勝ってた」といったメソッドで戦史を語る人が居ますけど、こういった本を読んでいると物量も戦力の一つだと本当に実感しますね。
正直あの頃の国力差について調べだすと本当に鬱になってくるのでマゾじゃないとやってられません。
日本の戦時商船隊周りについて色々本を読んだときもしばらく落ち込んでましたし。


まぁあれだ、気楽に暮したい奴は仮想(火葬)戦記でも読んで勝利の幻想に浸っていろという話ですよ。
俺もあの手のお話を無邪気に楽しめた昔に戻りたい。


なんとAmazonで48000円 そんな本がどうしてあの図書館にはおいてあったのでしょう?