「よくわかる現代魔法」新装版1巻+新刊発売
作家・イラストレーターインタビュー 第54回 桜坂洋さん -スーパーダッシュ文庫
桜坂 : あとがきにも書かせていただきましたが、リニューアルは1巻だけで、次は6巻を書きます。
作家・イラストレーターインタビュー 第54回 桜坂洋さん -スーパーダッシュ文庫
夏にはお届けできると思います。5月末には他社ですが『キャラクターズ』が出ます。6月末にはSF方面の作品でも動きがあると思います。
寡作な私ですが、今年はたぶん働きますので楽しみにしていてください。
昨日新刊.netのチェックキーワードに、新刊が出るあてもないのに「桜坂洋」を登録してみた、なんて書いた翌日にこのニュース。
「新装版1巻」が出るのを悪い意味に捉えて(既刊をもう一度出しなおすだけだと思っていました)いたのですが良い方向に予想が裏切られました。
また、個人的にインタビュー内で面白かったのはこの辺り。
I : あとなにか苦労された事とかありますか?
桜坂 : 今回、「あるシーンではある音素をできるだけ使わない」ということを目標にしまして、音素を抜き出してチェックするプログラムを作ったんです。はじめる前は、機械的な処理をして言葉を置き換えるだけで文章のイメージを変えることができるんじゃないかと予想してたんですけど、チェックした言葉の類義語を調べると、やっぱり同じ音を使ってるんですね。つまり、ある音をなるべく使わないで書こうと思ったら、根源的な部分で、書き方とか表現とかが全部変わってきてしまうんです。(後略)
丸宝 : それは重要かも。キャラクターが動いていくというのは、そういう事も含んでいるんだろうね。
桜坂 : 上手い人・売れてる人は、そういうことを本能的にやっているのかもしれませんね。私はこれからもプログラムでやるつもりですけど(笑)
スーパーダッシュ文庫
桜坂洋が自作Perlスクリプトを使って執筆している(確か予め書いておいたシーンをプロットの順に並び替えるスクリプトだったと記憶しています)と言うのは有名な話ですけど、そんな事までプログラムでやっていたとは。
桜坂作品みなに共通する、山場となるシーンでの物凄い疾走感が俺はとても好きなのですが、あの流れるような文章はこういった心配りから生まれていたものだったのですね。
普段Blogで感想記事を書く際には心に残った特定の台詞1〜2文を抜き出すのが常ですけれど、桜坂洋の場合下手すると2ぺーじくらいの「流れ」がそのまま印象に残った部分になってしまいますから。
どこを抜き出せば良いか困る困る。
そしてこれを書きながら「スラムオンライン」の終盤を読み返してみたけどやはり気持ち良すぎ。
P230「ビデオの文字盤は18時30分を指していた」から同231「この選択は、けして、間違えてはならない──」への息もつかせぬ文章に、読んだときには本当に興奮したものです。