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偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

とある小説同人誌サークルの夏コミ宣伝

2014年夏コミは3年ぶりにオフセット印刷の新刊を当日1週間前に入稿しており、時間的余裕があったのでかつてないほど事前宣伝に時間を割くことが出来ました。
せっかくなのでどのような手段を用いたか、どの程度の効果があったかを記録しておこうということで記事にまとめてみました。


今回のコミケで実行した宣伝手段は以下の通りです。

  1. Twitter(自分で投稿)
  2. TwitterアキバBlogに投稿依頼)
  3. pixiv
  4. はてなダイアリー
  5. 大判ポスター
  6. オビ

これら一つ一つについて、具体的にどうしたのか・どの程度の効果があったのかについて書いてみます。

1.Twitter(自分で投稿)

コミケ前の宣伝手段としてもっとも手軽と言えるのがTwitterでの宣伝Tweetです。もちろん俺も真っ先に行いました。
直前3日間(8/11~8/14)に自サークル、委託を合わせて13回宣伝Tweetを投稿しています。なお、投稿に当たってはBufferによる自動投稿を利用し、閲覧率の高くなりそうな時間として12時と22時に投稿しました。

これらの宣伝TweetについてTwitterAnalytics(Twitter公式の分析機能)で効果測定を行いました。結果は以下の通り。

  • 総インプレッション(ユーザーがTweetを見た回数):約14000
  • 総エンゲージメント(Tweetにfav,RT,リンクのクリックなど反応があった回数)約500
  • エンゲージメント率 (インプレッションに占めるエンゲージメントの割合)3.4%

Tweetを見た人の中で何らかの反応を返すのが3.4%と非常に少なかったのが意外でした。
データから見受けられる特徴としては以下が挙げられます。

  • 12時よりも22時の方がインプレッション(見てくれる人数)は多い
  • 昼夜にかかわらずエンゲージメント率(反応があった割合)に大きな変化は認められず、一部例外をのぞきほとんどは2~3%で推移
  • 3日間で大きな増加も減少も見られず
  • エンゲージメント率最大は8/14 22:00投稿の4.4%  最低は8/14 11:55投稿の0.68%

コアなファンを失うリスクがある「定期ツイート」はもうやめよう。代わりの宣伝方法も提案するから。 こんな記事がありましたが、自分の宣伝Tweetのデータを見る限りでは何度も繰り返してもインプレッション・エンゲージメント率ともに大きな減少は認められませんでした。少なくともイベント直前の数日間に集中して行う程度では「定期宣伝Tweetでファンを失う」ことは少ない、と言えるのではないでしょうか。

また、エンゲージメント率3.4%という値は@boreford氏が説いている「同人誌の売上はTwitterのフォロワー数の5%が目安」という仮説と何らかの関連を付けられるかもしれないデータともいえます。

なんにせよ、たったの3日間・13回のTweetでもかなり色々なことが読み取れそうなデータが取れたので、今後もTwitterAnalyticsを利用していろいろと調べてゆきたいところです。


せっかくなので生データへのリンクを貼っておきます。解析・解析結果の利用はご自由にどうぞ。
C86宣伝Tweet効果測定(TwitterAnalytics)


2.TwitterアキバBlogに投稿依頼)

アキバBlogのTwitterでの「夏コミ支援ツイート」について | @akibablogのアキバ写真
アキバBlogアカウントで毎回のコミケ前に行われているコミケ支援ツイートに初めて応募してみました。


支援ツイートは8/11 23:33に投稿され、6RT・4favでした。


TwitterAnalyticsの分析結果は以下の通り。(リンク先拡大図)

インプレッション:約13000に対してエンゲージメント20 エンゲージメント率にして0.15% 自分のアカウントでの宣伝ツイートのエンゲージメント率が平均3.4%なのと比較して非常に低いです。

このあたりは普段アキバBlogで紹介されている同人誌と俺の本の毛色が違う(アキバBlogで非18禁小説同人誌が紹介されることはまず無い)ため、アキバBlogアカウントのフォロワーの興味の対象から外れていたためである可能性を考えています。


3.pixiv

Twitterと並んで告知プラットフォームとしての地位を確立しているのがpixivです。表紙イラストと本文中の何ページかをpixivにサンプルとして投稿しました。
アクセス解析はこちら。(リンク先拡大図)

コミケ前日の8/14に投稿し当日までの閲覧数は約1000 閲覧者の流入元は検索経由でのアクセスが圧倒的に多く、なかでもキーワード「提督LOVE」を絡めたものばかりなのが目を惹きます。
(最短で1週間単位の表示しか出来ないため、アップロードからコミケまでの期間の閲覧数は推定です)

pixivに新刊サンプルをアップロードというと自分をフォローしている人に見せる意識が俺は大きかったのですが、アクセス解析から得られたのはまったく違う結果でした。コミケ前&人気の要素("提督LOVE"は艦これ二次創作では人気のあるほうの要素です)だと検索からの流入がここまで大きいのを意識してタグ付けなどを行う必要がありそうです。



4.はてなブログ

コミックマーケット86新刊告知 - 艦これ二次創作小説「雷巡ジュウコンカッコカリ」 - 偏読日記@はてな

はてなブログへの告知記事投稿は8/11に行っています。GoogleAnalyticsにより解析したページビュー推移は下図の通り。(リンク先拡大図)

コミケ前日までの総ページビュー583。pixivの総閲覧数約1000、Twitterの総インプレッション約14000/総エンゲージメント約500と比較するとずいぶんと少ないです。
RSSリーダーで購読しているアクセスをカウントできないので実際に記事が読まれている回数はもう少し上だろうとはいえ、単純な見られている数からするとBlogでの告知はTwitterに及ぶべくも有りません。前々から何となくは判っていたこととはいえ、こうして数字でTwitterの拡散能力の高さが示されると驚いてしまいました。

だからといってBlog記事での告知が意味をなさないとは思いません。スペース番号・あらすじ・表紙画像・価格等の情報を全て載せようとするとTwitterの1投稿140字制限ではかなり厳しいところがあります。文字数の制限なしに表示レイアウトも自分の自由にできるBlog記事は、「全ての関連情報を集約しておく場所」として非常に有効だったと考えています。


5.大判ポスター

コミケ会場の華、スペースの後ろに立ち並ぶ大判ポスター。
今までずっと前日に時間の余裕がなかったため作れなかったこれを、今年は俺も導入してみました。

印刷所で仕上がってきたのを見たときにはあまりの巨大さに本当にこれを掲示して良いものかと戸惑ったものの、実際に会場で立ててみるとこんな感じ。周りがみな同じようなポスターを掲示していると麻痺してしまいますね。

そしてこのポスターが宣伝として効果があったかというと…… 非常に判定は難しいながら、一日ずっとスペース内で売り子をしていた自分の実感としてはあまり役に立った印象は無し。
コミケでスペースの中に経っていると、通路を歩いている人々がどこに視線を向けているかかなり判るんですよね。その点では、俺の見たところスペース前を歩いていてポスターに目を引かれて立ち止まる人というのは全く見受けられず。俺の目の届かない遠くからポスターを見てやってきてくれた人が居る可能性はありますが、、正直なところ告知効果があったのかないのか判然としないです。


6.オビ

立ち読みで内容がわかりづらい小説同人誌の欠点を補うため、同人誌即売会にサークル参加する際はオビを制作して付けることにしています。
今回のオビはこんな感じ。


ポスターの項でも書いたとおり、スペースの中から見ていると訪れてくれた人がどこに視線を向けて立ち止まったかよくわかります。完売までスペースに居て応対していたかぎりでは、うちに来てくれた人の9割方は事前にサークルチェックして決め打ちで来た人だったという印象。
オビを見て立ち止まったとこちらからはっきり認識できたのは1組2名のみでした。

しかし開始から2時間半後の12時半頃には完売していたので、そもそもそんな早い時間に来るのは事前にサークルチェック済みの方に決まっているだろうとう話でもあり。
コミケWebカタログでお気に入りに登録している人数は夏コミ直前時点で91人であり、今回の完売部数86部とほぼ等しいです。

もっと沢山持ち込み、午後になっても頒布していればサークルチェックしていなかった人がうちのスペースに来てオビに目を惹かれた可能性はあります。


まとめ

以上、今年の夏コミで俺が行った宣伝手段とその効果をまとめてみました。
個人の小説サークルで可能なコミケ前宣伝手段はほぼ全て実行した感があります。あとは改善するとしたら告知開始時期を前倒しするくらいで、俺はもうこれら以外の宣伝手段をにわかには思いつきません。

当日のスペースで一見して内容を把握しづらい小説同人誌の頒布数は、事前の宣伝によってかなり左右されます。その点で86部を開始2時間半(12時半)で完売した今回は、ここ数年のコミケ参加ではかなり速いペースでした。

けれど、このどこまでが宣伝の効果なのかを完全に把握することはどうやっても不可能です。艦これはいま人気のジャンルで、俺が扱った大井・北上も比較的人気が高い方のキャラクターです。事前宣伝とジャンル・キャラクターの効果、どちらが大きかったのか判定することはもう無理でしょう。

しかしそれでも、一切宣伝をしないよりはした方が良いだろう、とは自信を持って言えます。これらの当日のポスターやオビはともかく、ネット上での事前告知が無かったらあのインプレッション・閲覧数・ページビューの分の人数に丸々届いていなかったわけですから。