偏読日記@はてな

本を読んだりゲームをしたり、インターネットの話をしたりします。小説も書きます。

将軍は「産む機械」 - 大奥(5)

「何が将軍だ!! 若い男たちを悦ばせるために 私がどれほどのことを床の中で覚えてきたのかそなたに分かるか? 将軍というのはな 岡場所で身体を売る男たちよりもっともっと卑しい女のことじゃ」 大奥 第5巻 「岡場所で身体を売るのは女性なのでは?」と疑…

最近の購入物

以前から読んでいるシリーズの続き・新規開拓ともにしばらく漫画を買うのをさぼっていたので、ふと本屋を訪れたはずみで大量に購入してしまいました。本屋でカゴが欲しいと思ったのは久しぶりですよ。 へうげもの 9服シグルイ 13ヴィンランド・サガ 8 この辺…

寒さは全てを等しく、無慈悲に包む - 「惑星CB-8越冬隊」

惑星CBー8 越冬隊 「それにしてもよく氷が割れなかったものだ。彼は、氷が割れないことをどうして知っていたのだ。 経験だけで、あれほど自信を持てるものなのか」 「そんな自信など誰にもありはしないさ」「ただ彼は簡単な論理に従ったまでだ。 我々は予定…

読書メーター登録数100冊突破

「読書メーター」で読書量の管理を目指してみる - 偏読日記@はてな 読書メーター - a-parkさんの読書メーター 子供のころ、学校の図書室で本を借りる度に埋まっていく図書カードに喜びを覚えたりしませんでしたか? 欄が埋まるたびに継ぎ足した結果、何枚も…

新旧「ヤンデレ」ラノベを読み比べて - 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」「僕とヤンデレの7つの約束」

せっせと本棚に積み上げた未読本の消化にいそしんでいる今日このごろ、図らずも「ヤンデレ」ラノベに分類されるであろう2冊を連続で読んだところ、その差異が予想していた以上に面白いものがあったのでまとめて感想を書いてみます。 表面を彩る過剰さは魅力…

密林の砲兵、かく戦えり - 「ニューギニア砲兵隊戦記」

ニューギニア砲兵隊戦記―東部ニューギニア歓喜嶺の死闘 「歩兵から見た戦争」「水兵から見た戦争」「パイロットから見た戦争」はフィクション・ノンフィクション共に溢れてるけど、近代戦における「砲兵から見た戦争」がいったいどんな風景になるのかちょっ…

軍人だけど、紳士です - 「第二次世界大戦紳士録」

第二次世界大戦紳士録 「潔癖症なのにペットのガチョウを溺愛する将軍」 「運動神経に難がありしょっちゅう転んで負傷する眼鏡っ子参謀」 「出自の華やかさと裏腹に潜水艦を愛した華族軍人」 「『戦場で急に盲腸になったら嫌だから』と痛くもない盲腸を摘出…

最近の購入物

鋼鉄のアナバシス 死神と呼ばれた少女 (AXIS LABEL) ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION マイナスりてらしー (IDコミックス 百合姫コミックス) 18日の発送通知メールを境に消息を絶っていた「鋼鉄のアナバシス」と、20…

「読書メーター」を使い続けて一年、さて俺は何冊読めたかな?

読書メーターを使いはじめてから1年 - ぽっぺん日記@karashi.org(2009-07-15)巡回先で「読書メーター」を使い始めてから1年が経過したという記事を読み、自らを省みればこちらもちょうど1年と少しが経過したところでした。 a-parkさんの読書メーター利用し始…

「大和」「零戦」だけが日本軍の兵器じゃない!! - 「まけた側の良兵器集」

「我が国の戦中工業製品は大和と零戦だけではない」という方針は一瞬たりとも忘れたことはありません。 戦争には負けたけど、負けた中にも良いものはあるのです。それは海軍にも陸軍にも独軍にも戦中初期にも末期にもです。 (中略) 世間の関心が「大和」と「…

明かされる過去、受け継がれる記憶、試される世界 - 「ウィザーズ・ブレイン(7) -天の回廊-(下)」

ウィザーズ・ブレイン〈7〉天の回廊〈下〉 (電撃文庫) シリーズ開始から8年 遂に終幕へ向けて走り出す物語 「かわいい男の子とかわいい女の子が出てきて、物理の力で戦う未来のファンタジー」 *1も、ついに7巻13冊を数えるまでに。ちなみに巻数表記とシリーズ…

それでも、日常は、人生は、続いていく - 「CARNIVAL」

いま思えば、いつかこうなってしまうと、初めから解っていたのだと思う。 でも、もしダメになってしまうとしても、その前にゴールに駆け込むことさえ出来れば、何も問題がないとたかをくくっていたんだ。 ゴールはまだ見えない。あの頃想像していたよりも、…

タライを喚ぶ、それだけがわたしにできること - 「よくわかる現代魔法」(1)

小説版のイラストレーターである宮下未紀自らによるコミック化。小説版は既読であり、イラスト共々に好きなので購入。 世界観もキャラクターの背景もましてや彼女たち相互の関係も、なにもかも全ての説明を最低限で放り出してただ事態だけが進行していく0話…

 「ヒトラーの特攻隊 歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち」

ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち 講習では、生還できるわずかなチャンスについて議論しました。以前に敵機に体当たりしたことのある飛行士の話では、その確立は1対9だと言います。10のうち、生還できるのは1くらいだろうと。…

速水螺旋人の馬車馬大作戦

速水螺旋人の馬車馬大作戦 溢れるロシアへの愛!! 溢れる馬鹿/駄目兵器への愛!! 溢れるボードゲーム/TRPGへの愛!! 全編これ「自分の好きな要素を好きなだけ集めて描いてみた」に充ち満ちていて、それでいて独りよがりにならないバランス感覚。4ページし…

「とらドラ!」シリーズ読了

2月の頭に1〜5巻を購入してから2ヶ月、ついに完結巻である10巻を読了。 途中でアニメ版の完結を待って小説を読むのを止めている期間があったのでこんなに長く掛かってしまいました。 アニメ版の最終話を見た後に小説版を読むのを再開し、8巻を終えた辺りで「…

一般人に「ライトノベル」って言ったら通じなくて驚愕

相手 「a-parkさん、さっき本が好きって言ってましたよね。どんなのを読んでるんですか?」 俺 「ええと、SFとかラノベとか、あとは歴史関係ですかね」 相手 「ラノベ??」 俺 「略すと判らないですよね、やっぱり(笑) ライトノベルって言った方が良かっ…

俺はこれから先、何度こうやって見送るのだろう

俺の巡回先の読書系・SF系Blogのことごとくが言及し、界隈では相当なニュースになっているので皆さんもう知っていることでしょうけど、SF作家の伊藤計劃氏(id:Projectitoh)が3月22日に亡くなっていたとのこと。淡々と、飄々としながら、それで居て描かれる…

「とらドラ!」小説版1〜7巻+スピンオフ 計8冊一気読み

とらドラ!12月末にまとめ買いしてから少しずつ読み進め、2週間掛けてアニメで一気に観た分(19話クリスマスパーティーまで)を読了し、更に外伝のスピンオフ1とコミック版1〜2巻も読了。ああそうさ、俺は狂ってるよ。でも、こんなに濃厚な「楽しい」…

アニメ版で物語の終わりを味わうか、小説版で完結を享受するか、それが問題だ

俺はいま、とても悩んでいます。それはもう深刻に。 いったい何に心を悩ませているかと言えば、アニメと小説、どちらで先に「とらドラ!」最終話/最終巻を観る/読むかということ。 先日1〜5巻+スピンオフ1を一気に購入してから少しずつ読み進め、いまは…

今日借りた本

部屋では気が散るのでノートPCを抱えて図書館に出向き、いろいろとテキスト書き。 ついでに新刊コーナーを眺め、面白そうな物を見つけたので借りてきました。 蒸気機関車200年史 これはまず本屋でお目にかかれないだろうという題材に心惹かれつい借りてしま…

ドイツ軍落下傘部隊 英国に立つ - 「鷲は舞い降りた」

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV) ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。 歴戦の勇士シュタイナ中佐率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定のチャーチル首相の誘拐だった!イ…

最近の読書あれこれ(2009年1月〜2月編)

個別の感想記事を書かないまま、机の上に積み上げるままにしていた読了本があまりにも多くなってきたので一括で感想記事を書いてみます。 渚にて―人類最後の日 (創元SF文庫) 去年あたりから進めている、タイトルだけ知っている過去の名作SFを少しずつ読み進…

女将軍、立つ - 「大奥」(4)

「わしはこの徳川の世を存続させるために生まれてきた将軍という名の人柱である! 万が一このまま男子が減り続けてこの世が滅ぶというなら わしも共に滅びるまでのこと! 誰か わしが女将軍となることに異存はあるかえ!?」 2巻から続く家光編を終え、家綱…

2008年下半期ライトノベルサイト杯投票

本企画は、「はてなキーワード機能を使い、ライトノベル関連サイトの管理人がおすすめのライトノベルについて語る」ためのものです。 ラノベ感想・書評サイトはもちろんですが、「サイト持ち&ラノベ読み」であれば誰でも投票できます。マンガ系でもゲーム系…

ツンデレ増量、政治劇もちょと増量 - 「葉桜が来た夏」(2)

「──本当にお前が誰も巻き込みたくないなら、お前はそのために全力を尽くすべきだ。防衛省も<秋>もそのための駒でしかない。 なあ星野、柄にもなく悲劇のヒロインぶってる暇があるなら、あいつらをを上手く利用してみろよ。 そして奪い取ってみろ。お前の…

わたしの毎日が、宇宙につながっている── - 「妙なる技の乙女たち」

西暦2050年。シンガポール沖、リンガ諸島。 軌道エレベーターの建設地として選ばれたそこには、宇宙産業を皮切りにありとあらゆる企業が進出し、巨大な都市が出現していた。 駆け出しの工業デザイナー、ボートタクシーの女艇長、熱帯雨林を売りさばく不…

これ1冊で溶接工の生活丸わかり?! - 「とろける鉄工所」

とろける鉄工所 1 (1) (イブニングKC) 溶接工ではないけれど、溶接を生業にしている身としてはこの作品に触れておかなくては、と思い購入。 読んでいると登場するシーン全てを自分の体験と重ね合わせることができるくらい「リアル」に溶接工の現場を描いてい…

蒸気コンピューターは「あり得た歴史」の夢を見るか? - 「ディファレンス・エンジン」

時は産業革命、数学者バベッジによって発明された「差分機関」(ディファレンス・エンジン)の完成で、蒸気機関と機械式コンピューターが歪に発達した1855年のロンドン。 ロマン派詩人バイロンは首相となり、詩人ジョン・キーツは蒸気映像作家として活躍し、…

最近の読書あれこれ

「あとで書く」 いつまで経っても 「あとで書く」 読了本がひたすら積み上がっていくままになされていた机の上を整理しようと、一念発起してまとめて感想。 やはり読み終えた直後にその勢いのまま書くか、それとも感想記事を書かないものと決めて本棚にしま…